キョウチクトウ(Nerium oleander var. indicum)はインド原産で、日本へは中国を経て江戸時代中期に伝来したと言われています。
葉が竹のように狭く花が桃のように美しい事から夾竹桃(キョウイチクトウ)と呼ばれています。
※別種にヨーロッパ原産のセイヨウキョウチクトウ(N. oleander L.)があり、キョウチクトウの花には芳香があるのに対し、セイヨウキョウチクトウには芳香がないなどの点で区別されています。
キョウチクトウには、強い経口毒性があり、野外活動の際に調理に用いたり、家畜が食べたりしないように注意が必要です。
※セイヨウキョウチクトウの毒性はキョウチクトウより強いとされています。
キョウチクトウの毒で最も強い成分が"オレアンドリン"で、毒性は青酸カリより強いと言われています。
ヒトの致死量は、0.30mg/kgで、キョウチクトウの枝を箸や串の代わりに使って食事をするだけでも死に至るといわれています。
身近な所によく植えられているだけに、野外活動で調理に用いたり、家畜が食べたりしないよう、また子供が触らないように気を配って下さい。
花、葉、枝、根、果実すべての部分と、周辺の土壌にも毒性が存在し、生木を燃した煙も毒を有し、腐葉土にしても1年間は毒性が残るため、腐葉土にする際にも注意を払う必要があります。
中毒症状としては、嘔気・嘔吐、四肢脱力、倦怠感、下痢、非回転性のめまい、腹痛などが見られます。
治療法はジギタリス中毒と同様の治療を行います。
【キョウチクトウよりセイヨウキョウチクトウの中毒事例の逸話】
・キョウチクトウ
西南戦争の時に官軍の兵士がこの枝を折り箸とし食事をとった時に中毒したという記録があります。
・セイヨウキョウチクトウ
アレキサンダー大王の軍事作戦に際し、毒性の高いセイヨウキョウチクトウの枝に刺した肉を食べた者が命を落としたといわれています。
切手は1967年ユーゴスラビア発行の「花切手」でセイヨウキョウチクトウが描かれています。
切手は1959年モナコ発行の「花切手」でキョウチクトウ(型録説明ではキョウチクトウと記載されていますが、おそらくセイヨウキョウチクトウでは?)が描かれています。
切手は2000年台湾発行の「台湾の毒草切手」でキョウチクトウが描かれています。
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