劣化ウランとは放射線を放つ発ガン性物質であり、増え続けるこのゴミはその後の活用法がないことから、1950年頃からアメリカ軍内部で兵器としての廃棄物利用が研究され始めましたた。

劣化ウラン弾(Depleted uranium ammunition:DU)とは、弾体として劣化ウランを主原料とする合金を使用した弾丸全般を言います。

劣化ウラン弾は重金属汚染と放射性のふたつの点で人体に被害を与える恐れがあるため、実戦や演習・射撃訓練で劣化ウラン弾を使用し、自然環境に劣化ウランを放散させることの是非について、たびたび議論されています。

2003年3月以降のイラク戦争でも、米軍は劣化ウラン弾を大量に使用したといわれていますが、確証は得られていませんが、人道支援・戦後復興支援のためにイラクに派遣された陸上自衛隊が駐留したサマーワ郊外においても、米軍がイラク戦争時に使用したものとみられる劣化ウラン弾が複数発見されているとの情報もあります。

劣化ウラン弾の使用によって、奇形児の増加、白血病やガンの増加などイラク人の身体に身体的な異常をきたすことになったのは言うまでもなく、その危険性を一切知らされずに使用したアメリカ兵のなかでも、実に90000人以上が帰国後に機能不全、白血病、ガンなど医学的な問題を持っていると報告されています。

これは「湾岸戦争症候群」とも呼ばれています。

米国やWHO、NATOなどは、正確なデータが無いことを理由に「影響は未確認」とし、湾岸戦争症候群などの「奇形児の問題が化学兵器などによるものだ」と否定的な立場をとっています。

唯一無二の被爆国でもある日本は、補瀉脳兵器の禁止に向けてもっと大きな声を挙げるべきと思います。

切手は2001年イラク発行の「イラクでの米国が使用した劣化ウラン爆弾の被害切手」で、劣化ウラン爆弾とその被害にあった子供を描いています。



劣化ウラン爆弾.イラク.2001