ハチに刺されハチ毒が体内に入って起こるアレルギー反応のことを言いますが、ときにはアナフィラキシーショックを起こして死亡することもあります。
わが国では、ハチ毒アレルギーによるアナフィラキシーショックによって毎年30人前後の人が死亡しています。
ハチ毒アレルギーによるアナフィラキシーの症状は、主にIgE抗体を介する I 型アレルギー反応によって引き起こされます。
人を刺すハチの種類は、主にミツバチと、スズメバチ科のスズメバチおよびアシナガバチです。
ハチ毒アレルギーの症状は、刺された箇所の腫れからアナフィラキシーショックまできわめて多彩です。
はじめてハチに刺された時は、アナフィラキシーを起こすことはほとんど無く(ハチ毒に対するアレルギーを持っていなければ)、ハチに刺されても強い痛み、かゆみ、発赤、はれといった局所症状があらわれるのみで、通常3日間ほどで治ってしまいます。
しかし、ハチ毒アレルギーを有する人では非常に強い反応が起こり、嘔吐、寒気、じんま疹といった全身症状から、呼吸困難や意識障害などのショック症状があらわれ、時には死に至ることもあります。
ハチに刺されてアナフィラキシーがあらわれるのは、通常、刺されてから15分以内ですが、症状が早くあらわれる時ほど重症化する傾向があるといわれています。
稀なことですが、初めてハチに刺されてもアナフィラキシーを起こすこともありますので、はじめて刺されたから大丈夫と高をくくるのは危険なことです。
2019年の野生動物が原因となる日本人の死因の首位はスズメバチによるものです。
過去にハチに刺された人は、皮膚科あるいは耳鼻咽喉科の医師に相談し、ハチ毒に感作されているかどうか(ハチ毒に対する免疫抗体をもっているかどうか)を調べてもらい、ハチ毒に感作されていれば、「蜂刺され対策用の自己注射器」を携帯することをお勧めします。
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