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梅毒についての記事が続きましたので、読者の皆様方は少しうんざり気味と考えて今回から視点を変えて魚の持つ毒について紹介させていただきます。
毒を持つ危険な魚のフグを我々は好んで食べますが、これは欧米人には理解できないようです。
特に極めて危険な毒を持つフグを日本人は好んで食します。
今回はこのフグの毒であるテトロドトキシンについて話を進めてみたいと思います。
フグは肝臓や卵巣にテトロドトキシンという青酸カリの800倍を超えるという高い毒性を持つ神経毒を有しています。
テトロドトキシンは体内に入ると神経細胞や筋肉細胞のナトリウムチャネルに結合して膜電位を消失させ、神経伝達を阻害する作用により呼吸に携わる筋肉の機能を失わさせてしまいます。
心臓の筋肉はテトロドトキシンに対して耐性を持っていますから、テトロドトキシン中毒でも心臓は動き続けることが出来ます。
要するにフグの毒のテトロドトキシン中毒は、心臓は動いているにもかかわらず、呼吸が停止して窒息して死亡するのです。
摂食後の20分程度から数時間で指先や口唇部、舌先に軽いしびれの症状が現れ、意識が明瞭なまま麻痺は急速に進行し24時間以内に死亡する場合が多い。
このテトロドトキシンに対する治療薬はありませんので、テトロドトキシンが自然に体の外へ排出されるのを待つしかありません。
排出に係る時間はおよそ8時間と言われていることから、人工呼吸器で8時間を持ちこたえれば助かるということです。
「フグ(河豚)は食いたし命は惜しし」とはよく言ったもので、猛毒を持つフグを日本人は昔から食しています。
現在ではフグのどの部位にテトロドトキシンが存在しているかは解明されていることから、正しく調理すれば安心して食することが出来ます。
にもかかわらず一部の料理店でのフグの肝臓や卵巣の提供によるフグ中毒で死亡する人があることも事実です。
正しく調理すれば中毒することもなく美味しく味わえます。
切手は1967年日本発行の「魚介シリーズ切手」で、トラフグが描かれています。
切手は1977年北朝鮮発行の「魚介切手」でマフグが描かれていますが、このフグも肝臓と卵巣に毒を持っています。
マフグはフグの女王と称され、特に旬を迎える冬にはトラフグを凌ぐと言われる味わいが魅力です。
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