6世紀から18世紀の大航海時代、壊血病の原因が分からなかったため、海賊以上に恐れらていました。

例えば、バスコ・ダ・ガマ(1469?~1524)のインド航路発見の航海においては、180人の船員のうち100人が壊血病で死亡しています。

初期段階では皮膚乾燥、食欲不振、脱力などで、紫斑若しくは出血斑が起こり、症状が進むと出血が歯肉などに見られるようになり、これが更に皮下や筋肉及び関節内、粘膜などに拡大していきます。

更に尿路や消化管においても出血傾向が認められるようになり、やがては死亡します。

予防策がわかったのは1747年のことで、イギリス海軍医ジェームス・リンド(1716~1794)が、オレンジやレモンなどの柑橘類を食べることで、この病気を予防できることを発見しました。

その後、イギリス海軍では水兵に毎日ライムジュースを飲ませるようにしたため、イギリスの水兵は今でも“ライムジューサー”と呼ばれるそうです。 

1753年、イギリス海軍省のジェームズ・リンドは、食事環境が比較的良好な高級船員の発症者が少ないことに着目し、新鮮な野菜や果物、特にミカンやレモンを取ることによってこの病気の予防が出来ることを見出した。

その成果を受けて、キャプテン・クックの南太平洋探検の第一回航海(1768年 - 1771年)で、ザワークラウトや果物の摂取に努めたことにより、史上初めて壊血病による死者を出さずに世界周航が成し遂げられた逸話は有名である。

ビタミンCと壊血病の関係が明らかになったのは、1932年のことです。

切手は、1993年トランスカイ発行の「医学者切手」で、ジェームス・リンドの肖像と船員がライムをかじる光景が描かれています。

リンド.壊血病.1993.トランスカイ