狂犬病は、狂犬病ウイルスを病原体とするウイルス性の人獣共通感染症で、ヒトを含めたすべての哺乳類が感染します。
毎年世界中で約5万人の死亡者が発生しています。
狂犬病は、発症後の死亡率はほぼ100%で、現時点では確立した治療法は存在しません。
狂犬病は世界中のあらゆる地域、多くの国で発生しており、2020年6月現在、狂犬病ウイルスが撲滅され、存在しないとされる狂犬病清浄国・地域は全世界で6地域(農林水産省の指定)日本・オーストラリア・アイスランド・ニュージーランド・ハワイ・グアム・フィジー諸島のみとされています
先進国においても未だ多く狂犬病は発生しています。
日本においては、1950年の狂犬病予防法施行による飼い犬の登録とワクチン接種の義務化および徹底した野犬の駆除によって1956年以来、犬、ヒト、共に狂犬病の発生はありません。
狂犬病が日本国内から根絶されたとの認識から、近年飼い犬への狂犬病予防接種率が年々低下していることが危惧されています。
最近の予防注射実施率は約40%と、流行を防ぐために必要とされるWHOガイドラインの70%を遥かに下回っているの危険な状態となってきています。
犬を飼えば必ず登録して、狂犬病予防接種を受けることは絶対に必要です、このように接種率が低くなればなるほど、いつ何時狂犬病が発生しても不思議ではない状況となってきています。
日本国内での感染が確認されなくなって以降、日本で狂犬病が発症した事例は、外国で犬に噛まれて発生した3件です。
1970年にネパールを旅行中の日本人旅行者が現地で犬に咬まれ、帰国後に発病・死亡、残り3例はいずれも2006年に男性3人がフィリピン滞在中に犬に噛まれたことが原因で狂犬病を発症し、2人とも死亡しています。
2020年5月22日、愛知県豊橋市の医療機関を受診した静岡県静岡市在住の方が、狂犬病を発症したことが確認されました。
国内での人の狂犬病患者の発症は、2006年フィリピンからの帰国者の事例以来14年ぶりになります
日本国内での狂犬病の発生がないことから、海外に出かけても、日本国内と同じ感覚で犬に接することは非常に危険きわまりないことです、海外では絶対に「犬に近寄らない、飼い犬でも触らない」を厳守する必要があります。
切手は1988年タイ発行の「赤十字切手」で、狂犬病予防ワクチンと狂犬が描かれています。
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