ガンのことを英語でキャンサー(Cancer)と言います。
キャンサーの意味はガン意外に、大きなカニ、かに座という意味もあります。
ドイツ語ではガンのことをクレーブス(Krebs)と言いますが、これもやはりカニという意味があります。
それでは、ガンのことをカニを意味する言葉で呼ぶのでしょうか?
最初にガンをカニにたとえたのは、古代ギリシアの医師で医聖と称される、ヒポクラテス( 紀元前460頃~B紀元前375頃 )だと言われています。
乳ガンは体の表面から判る病気のため、古代ギリシアでは、すでに乳ガンの外科的治療が行われていたことが古代の文献から読み取られます。
ガンを切り取ったあと、そこをたいまつで焼くという、非常に荒っぽいやり方をしていことも分かっています。
当時の医学の最先端を担っていたヒポクラテスは、切り取ったガンの塊を切り刻み、そのスケッチを残し、そこに「カニのような(カルキノス)」という記述も残しています。
これは、ガンの部分が周りの組織に浸潤している様子が、手足を伸ばしたカニのように見えたのか?
進行した乳ガンは、皮膚に引き攣れを起こすため、これがちょうどカニの甲羅のように見えたので、「カニ」と言われるようになったという説明もあります。
さすが医聖と称されるヒポクラテスが、最初に「ガンとカニ」を関連させたことには、敬服させられます。
このことから、ラテン語でひろくヨーロッパに伝わったため、英語でもドイツ語でもガンのことを、カニを意味する言葉で呼ぶようになって現在に至っています。
ガン撲滅を目的とした切手は、全世界で非常に多く発行されていますが、いずれもガンを象徴するカニが描かれています。
切手は1965年ニジェール発行の「対がん運動切手」で、ガンに見立てたカニを握りつぶすことによっての対がんを表現しています。
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