『砂の器』は、松本清張(1909年~1992)の長編推理小説で、ハンセン病を物語の背景として取り上げ、大きな話題を呼んだ作品です。

1974年に松竹で映画化 監督 野村芳太郎、出演者 加藤剛、島田陽子、緒形拳、森田健作。

殺人犯和賀英良(本浦秀夫)がハンセン症を患った父千代吉と村を追われ巡礼姿で放浪の旅を続け、施しを受けられず自炊しながら生活する様子・子供のいじめにあい小学校を恨めしそうに見下ろす様子・命がけで父を助け和賀少年がケガを負う様子などが描写されている。

二人が放浪する姿は涙を誘います。

当時のハンセン症患者へのいわれのない差別が描かれています。

鑑賞されたことのない方は是非とも鑑賞されることを強くお勧めします。

抗酸菌の一種であるらい菌の皮膚のマクロファージ内寄生および末梢神経細胞内寄生によって引き起こされる感染症です。

ハンセン病は感染力の弱い感染症であり、遺伝することはありません。

現在では早期発見と適切な治療により確実に治すことができます。

英語圏では、レプラ(leprosy)、ハンセン病(Hansen's disease)の両方の用語が使用されていますが、日本では「癩病」「らい病」「ハンセン病」のいずれかで呼ばれています。

「癩病」「らい病」は近年では差別用語とされ、公的な場では使用されず、「ハンセン病」と呼ばれます。

※この病気は、1873年にらい菌を発見したノルウェーのアルマウェル・ハンセン (1841~1912) の名前を冠してハンセン病と命名されました※

切手は1973年パキスタン発行の「らい菌発見100年記念切手」で、らい菌の発見者のハンセンの肖像と共にらい菌と顕微鏡が描かれています。


ハンセン症.パキスタン.1973

切手は1961年モナコ発行の「マルタ騎士団顕彰切手」で、当時の中世の町を拍子木を鳴らしながら歩くらい病患者を描いています。


ハンセン症.モナコ.1961