大村 智博士(1935~)は、日本の化学者で北里大学特別栄誉教授でもあり、2015年ノーベル生理学・医学賞をドリュー大学のフェロー ウィリアム・キャンベル(1930~)博士と共に、「線虫感染症の新しい治療法の発見」の業績により受賞しています。

大村博士の業績とは、土中にある微生物(放線菌)から寄生虫を駆除する有機化合物である「エバーメクチン」を発見し、それを元に企業と合同で抗寄生虫薬「イベルメクチン」を開発したことです。。

開発当初は家畜用にしか使用されていませんでしたが、熱帯地方特有の病気で失明や視覚障害を引き起こす「オンコセルカ症」や皮膚などが肥大化して硬くなる「リンパ系フィラリア症(象皮病)」、ダニが原因の皮膚病「疥癬」などの特効薬として広く使用されるようになりその効果によって感染の危機から救われる人はなんと年間約3億人にも上るという統計があります。

特にオンコセルカ症は「六大熱帯病」の一つで、1年で約1800万人が感染していた時期もありましたが、WHOが大村博士の開発した薬の無償配布を行ったいることから、2025年ごろには撲滅される言われています。

切手は2015年マリ発行の「ノーベル賞受賞者切手」で、円の中に大村 智博士の肖像が描かれています。


大村智