秦 佐八郎(1873-1938)は、島根県生まれの細菌学者で、ドイツのコッホ研究所で免疫学を学び、1910年エールリヒと共同で梅毒の化学療法剤サルバルサンを発見した人物です。

秦は、ウサギの睾丸に梅毒トレポネーマを接種し、そのウサギを使用して化学製剤の薬効を試すこと606番目の有機ヒ素剤に梅毒の治効果があることを突き止めることに成功しました。

この606番目に発見した有機ヒ素剤に、『サルバルサン』と命名しました。

秦の血の出るような地道な努力がなければ、『サルバルサン』の発見は到底成し得なかったでしょう。

『サルバルサン』の発見とその著しい治療効果により"ドクトル 秦"の名前は全世界に広まりました。

後にエールリッヒは、後に 『ドクター秦がいなければ、こんなにも早くは成功しなかった』

と北里柴三郎宛に感謝の手紙を送っています。

この様な偉大な発見をした秦 佐八郎の切手が日本では未だに発行されていないのが残念でなりません。

切手は1977年ニジェール発行の「ノーベル賞切手」で、エールリッヒ博士とともに秦佐八郎(中央)が描かれています。


秦佐八郎1

風景印は1992年3月8日から島根県美濃郡美濃町都茂郵便局で使用開始されたもので、秦佐八郎の胸像が描かれています。


秦佐八郎2