1976年イラン発行の切手は、かつて国際的に認められていた**「赤獅子太陽(Red Lion and Sun)」**という独自の救護標章が実際に使われていたことを示す貴重な証拠です。

この切手の画像を使って、「赤獅子太陽社」の歴史と、マークが国際舞台から姿を消した経緯を分かりやすくまとめます。


赤獅子太陽.イラン.1959



1. 🌟 切手に描かれた「赤獅子太陽」の正体

このマークは、かつて**イラン(革命前のペルシャ)に存在した救護団体「赤獅子太陽社」**が使用していた標章です。

図案: 剣を持った赤い獅子(ライオン)と、背後から昇る赤い太陽。

起源: これは、メソポタミア文明に遡るイラン(ペルシャ)の伝統的な国章をベースにしています。

役割: 他の国の「赤十字」や「赤新月」と同様に、傷病者とその救護者を保護するための国際的なシンボルでした。


2. 📜 国際的な承認と歴史(1929年~1980年)

承認の背景: オスマン・トルコ帝国(現在のトルコ)がイスラム圏の標章として「赤新月」の承認を得た後、イランも自国の伝統的なシンボルを標章として要求しました。

国際的地位: この要求が認められ、1929年以降、「赤十字」や「赤新月」と並ぶ正式な国際標章の一つとして認められ、ジュネーブ諸条約にも記載されました。

3. 💥 組織の終焉とマークの廃止

この「赤獅子太陽」マークは、1979年の歴史的な出来事によって、国際舞台から姿を消しました。

1979年 イラン革命が発生し、帝政が打倒され帝政のシンボルであった「獅子と太陽」の国章が廃止されました。

1980年 組織名の変更 「イラン赤獅子太陽社」は、「イラン赤新月社」に改称しました。

この改称以降、「赤獅子太陽」の標章はどこの国でも使用されなくなり、国際赤十字・赤新月運動の保護標章リストから事実上外されました。

現在、この切手に描かれたマークは、国際人道支援の歴史において、かつて存在した**「幻の赤十字マーク」**として語り継がれています。

切手は1963年イラン発行の「国際赤十字創立100周年記念切手」で、赤獅子太陽が描かれています。



赤獅子太陽.イラン.1963


切手は1969年イラン発行の「赤十字社連盟創立50周年記念切手」で、左から赤十字・赤獅子太陽・赤新月が描かれています。


赤獅子太陽.イラン1969