妊娠中に、お腹の赤ちゃんが元気に動く姿を見たり、心臓がトクトク動くのを確認したり…
病院で受けるあの「超音波検査」って、なんだか不思議ですよね。

この検査の名前「エコー」には、実は古代ギリシャ神話に登場する、ある美しい精霊の物語が隠されているんです。

今回は、身近な医療技術に秘められた、ロマンチックな物語をひも解いていきましょう。

◎ギリシャ神話の精霊「エコー」とは?

昔々、ギリシャ神話に**「エコー(Echo)」**という名の美しいニンフ(精霊)がいました。

彼女はとてもおしゃべりで、美しい声を持っていました。

ある日、大神ゼウスの浮気現場を隠すために、ゼウスの妻ヘラを言葉で足止めしてしまいます。

ヘラはこれに激怒し、エコーに恐ろしい呪いをかけました。

その呪いとは、「他人の言葉を繰り返すことしかできなくなる」というもの。

それ以来、エコーは自分の言葉を話すことができず、ただ相手の言葉を繰り返すだけの存在になってしまったのです。

この物語は、「こだま」や「反響」の由来として語り継がれています。

◎「こだま」が体を映し出す不思議な技術

超音波検査は、この「こだま」の原理を応用しています。

医療機器から体の内部に向けて、人間の耳には聞こえない高い周波数の**「超音波」**を発射しこの超音波が、臓器や血管、骨といった体内のさまざまな組織にぶつかると、跳ね返ってきます。

この跳ね返ってきた超音波の**「反響(エコー)」**を機械がキャッチし、その時間差や強さから、体内の様子をリアルタイムで画像化するのです。

まるで、透明になってしまったエコーが、私たちの声に「こだま」で応えるように、超音波が体内の組織に「反響」して、その姿を映し出すのです。

この検査は、放射線を使わないため安全性が高く、妊婦さんの検診をはじめ、心臓や肝臓、腎臓などの検査にも広く使われています。

◎切手にもなった「エコー検査」

実は、世界中の切手にもエコー検査は描かれています。

2004年にソマリアから発行された切手には、ギリシャ神話の美しいニンフたちが描かれました。



ニンプ.2004.ソマリア


2016年のギニアの切手には、妊婦さんが超音波検査を受ける様子が描かれ、ジカウイルス対策への啓発に利用されました。


エコー検査.ギニア.2016


2002年のフィジーの切手には、心臓の検査をする心臓エコーが描かれています。



エコー検査.2002.フィジー

これらの切手は、エコー検査が世界中の人々の健康に貢献していることを物語っています。

ただの医療機器ではなく、古代の神話と現代の科学が結びついた「エコー検査」。

この不思議な名前の由来を知ると、次回の検査が少し楽しくなるかもしれませんね。