新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が世界を揺るがしてから数年、記念切手や報道などで研究者が顕微鏡を覗き込んでいる姿を見たことはありませんか?
でも、ちょっと待ってくださいよ、あのウイルス、本当に光学顕微鏡で見えているのでしょうか?
◆結論から言います——見えません!
新型コロナウイルスは、直径およそ100ナノメートル(nm)という、超ミクロサイズのウイルスです。
一方、通常の光学顕微鏡で見える限界は約200nmまで。つまり、コロナウイルスはそれより小さすぎて見えないのです。
◆じゃあ、どうやって見ているの?
この微細なウイルスを実際に“見る”ために活躍するのが、**電子顕微鏡**です。
電子顕微鏡は、光ではなく電子ビームを使って対象を映し出す装置で、ウイルスの表面構造や内部まで、非常に高解像度で観察できます。
◆では光学顕微鏡は無力なの?
実はそうでもありません、光学顕微鏡にもできることはあります。
たとえば、免疫染色という手法では、ウイルスの「抗原」に特異的に反応する抗体に蛍光などのマーカーを付け、ウイルスの存在を“間接的”に確認することができます。
つまり「見えてはいないけど、そこに“いる”ことがわかる」のです。
ウイルスのスクリーニングや増殖状況の観察には、今でも光学顕微鏡は大切な役割を果たしています。
◆切手が語る科学の世界
興味深いことに、新型コロナ関連の切手には、光学顕微鏡を覗く科学者が描かれているものもあります。
2022年、中央アフリカで発行された「新型コロナウイルス/感染症との戦い」切手(4連刷)のうち2枚には、光学顕微鏡とウイルスの描写が登場します。


また、1988年に台湾で発行された「科学技術振興」切手には、電子顕微鏡を操作する科学者の姿が描かれています。


これらの切手は、科学の現場と私たちの生活をつなぐ“アート”としても、とても魅力的な存在ですね。
◆まとめ
新型コロナウイルスは光学顕微鏡では見えません。
電子顕微鏡がその姿をとらえる主役です。
しかし、光学顕微鏡も間接的な検出やスクリーニングで重要な役割を担っています。
科学とウイルスの戦いの一端が、切手という小さなキャンバスに描かれているのです。
科学をもっと身近に。
切手と顕微鏡が語る、新型コロナウイルスとの戦いの物語を、あなたも覗いてみませんか?
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