多発性硬化症(multiple sclerosis:MS)は、中枢神経系の慢性炎症性脱髄疾患で、時間的・空間的に病変が多発するのが特徴です。
この疾患はフランスの病理学及び解剖学者であったジャン・クルヴェリエ(1791~1874)によって1835年に初めて報告されました。
この疾患で全経過中にみられる主症状は、視力障害、複視、小脳失調、四肢の麻痺(単麻痺、対麻痺、片麻痺)、感覚障害、膀胱直腸障害、歩行障害、有痛性強直性痙攣等で、病変部位によって異なります。
この疾患がなぜ起こるのかはまだ十分に明らかになっていませんが、「自己免疫」が関係しているのではないかと考えられています。
多発性硬化症の頻度は人種によって違いがあり、欧米の白人に多く、北ヨーロッパでは人口10万人あたり100人以上の患者がいる地域もあります。
日本では人口10万人当たり8~9人と比較的稀な病気ですが、全国に12000人ほどの患者がいるとされています。
治療において最も重要なのは、多発性硬化症の再発や進行を未然に抑えることで、現在利用できる治療法は、いずれも長期間継続することが必要となります。
多発性硬化症と診断されたら、なるべく早めに再発進行防止のための治療を開始することが最も重要と考えられています。
多発性硬化症は、細菌やウイルスによる感染症ではないので他人に感染させることはありませんし、遺伝病でもありません。
切手は1962年モナコ発行の「米国多発性硬化症協会創立15周年記念切手」で、この切手の発行発案者は、医学に深い関心を持っていたモナコ王国のクレース王妃(グレース・パトリシア・ケリー 1929~1982)で、希望を表す日の出・美しい花束・International Resesrch(国際的研究)の文字・若い娘が結婚準備に調えた品々を入れるポープチェスト(Hope chest)・ホープチェストには多発性硬化症の頭文字のMSが描かれています。
切手は1959年モナコ発行の「グレース王妃総合病院切手」で、王妃の横顔とともにグレース王妃総合病が描かれています。
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