ヘルペスB病は、1933年にサルを取り扱う研究者がサルに咬まれ、脳脊髄炎を発症して死亡しその神経組織よりウイルスが分離され、患者の名前にちなみ、Bウイルスと命名された。
正式名称はMacacine alphaherpesvirus 1(マシーン・アルファヘルペスウイルス 1 型 )ですが、Bウイルス、ヘルペスB 、Herpes simiae(ヘルペス・シミエ)、Herpesvirus simiae(ヘルペスバイラス・シミエ)とも呼ばれます。
このウイルスはニホンザルなどのマカク属サルを自然宿主とし、サルなどの宿主では単純疱疹類似の疾患を引き起こすだけで致死的感染は例外的です。
しかし、ヒトがBウイルスに感染すると、重い中枢神経感染症性疾患(Bウイルス病)を発症する。
現在までに感染事例は、全世界で50例程度とされていますが、自裁は見落とされている事例が多く存在していると指摘されています。
感染経路は、唾液等に感染性ウイルスが排出されているサルに噛まれる、それらのサルの唾液、尿などの体液に直接触れることによっても感染します。
しかしマカク属サルとの直接的な接触がない場合は感染しませんし、症状のない患者からの感染や空気感染はしません。
米国で最初の症例の症例としては、噛まれて3日後に噛まれた箇所が腫れ、リンパ管炎、所属リンパ節腫大の症状を引き起こし6日目に発熱、10日目に神経症状が出現し、脳脊髄液の単核細胞上昇、蛋白質増加が認められ外傷部皮膚には水疱性病変も出現した。
17日目に痙攣・昏睡 状態となり、呼吸不全(呼吸筋麻痺)にて死亡しています。
症例数が少なく、Bウイルス感染症に対する治療法は確立されていません。
この様に珍しいウイルス感染症の切手が、世界で初めて発行されていますので紹介させていただきます。
切手は2021年トーゴ発行の「Bウイルス感染症連刷シート」で、切手にはアカゲザルと地球(左上)、Bウイルスの模式構造図と人体(右上)、Bウイルス(左下)、アカゲザルとBウイルスによる脳と脊髄の炎症(右下)とシート面中央にはBウイルスの模式構造図が描かれています。
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