1958年、ベルギーの研究所で実験用に飼われていたサルで見つかったsmall“pox”(天然痘)に似た症状からmonkey“pox”(モンキーポックス:サル痘)と命名されました

モンキーポックスは、1970年にザイール(現在のコンゴ民主共和国)でヒトでの初めての感染が確認された感染症です。

オルソポックスウイルス属のサル痘ウイルスによる感染症で、中央アフリカから西アフリカにかけて流行しています。

日本国内では感染症法上の4類感染症に指定されています。

※モンキーポックスは、当初サル痘と呼ばれていましたが、2023年11月28日世界保健機関によってエムポックス(Mpox)と名称変更され、日本においては2023年5月26日に「サル痘」から「エムポックス」に感染症法上の名称が変更されました※

※ここではエムポックスとして話を進めていきます※

エムポックスは、ポックスウイルス科に属するエムポックスウイルスによって引き起こされる感染症です。

エムポックスウイルスは、げっ歯類やサルなどの動物に感染し、これらの動物から人間に感染することがありますが、人間から人間への感染は、感染者の体液や皮膚病変に触れた場合、あるいは感染者の飛沫を吸い込んだ場合に起こることがあります。

エムポックスの症状は、発熱、頭痛、筋肉痛、倦怠感、リンパ節の腫れ、発疹などで、発疹は、顔から始まり、全身に広がることがあります。

発疹は、水疱、膿疱、かさぶたになり、治癒するまでに数週間かかります。

エムポックスは、ほとんどの場合、2?4週間で自然に治癒しますが、重症化することもあります。

重症化すると、肺炎、敗血症、脳炎などの合併症を引き起こすこともあります。

エムポックスの感染予防には、ワクチン接種が有効です。

サル痘のワクチンは、天然痘のワクチンと同じワクチンを使用することができます。

天然痘のワクチンである痘そうワクチンがサル痘予防にも有効ですが、日本では1976年以降痘そうワクチンの接種は行われていません。

エムポックスウイルス曝露後4日以内に痘そうワクチンを接種すると感染予防効果が、曝露後4~14日で接種した場合は重症化予防効果があるとされています。

日本国内においては、2024年5月10日公表時点で246例の症例が確認されています。

切手は2022年ジブチ発行の「サル痘4面小型シート」で、カニクイザル(切手左上)・サル痘ウイルス(切手右上)・子供のサル痘患者とワクチン(切手左下)・サル痘注意マーク(切手右下)とシート面にはカニクイザルが描かれています。


サル痘4面シート.ジブチ.2022


切手は2022年トーゴ発行の「ポックスウイルス皮膚感染症の歴史連刷シート」で、天然痘で死亡したラムセス5世のミイラ(切手左上)・ポックスウイルスの変異体(切手中央上)・16世紀新世界から持ち込まれた天然痘によって320万人のアステカ人の犠牲(切手右上)・牛の乳房に出来た牛痘の膿疱(切手中央左)・ジェンナーの種痘(切手中央真ん中)・ポックスウイルス(伝染性軟属腫)に感染した子供(切手中央右)・2022年サル痘流行(切手下段中央)、シート面には天然痘で死亡したラムセス2世(とピラミット・天然痘に感染したアステカ人とその遺跡・povvirus(ポックスウイルとの文字)が描かれています。


ポックスウイルス.トーゴ.2022