天然痘は1979年に根絶された最初のウイルスです。

天然痘は非常に感染力が高く、致命的な病気でしたが、ワクチン接種キャンペーンにより、最後の天然痘患者が確認されたのは1977年のことです。

天然痘は、過去には世界中で広く流行し、数百万人の死者を出す大流行が発生していましたが、天然痘根絶のための取り組みは18世紀から始まり、20世紀に入って本格的な取り組みが展開されました。

最も重要な貢献の一つは、ワクチンの開発と普及で1796年にイギリスの医師エドワード・ジェンナーが牛痘(牛の伝染病)のウイルスを利用して初めて天然痘ワクチンを開発し、これが天然痘の予防に効果があることが示されその後、天然痘ワクチンは世界中で広く使用されるようになりました。

天然痘根絶のための国際的な取り組みは、1967年に世界保健機関(WHO)によって開始されこの取り組みは、天然痘の発生地域での集団予防接種キャンペーン、感染者の早期発見と隔離、感染者の周囲へのワクチン接種などを含んでいました。

この取り組みの成果として、天然痘の発生件数は急速に減少しそして、1977年にソマリアで最後の自然発生の天然痘感染者が確認された後に根絶が宣言されました。

そして1980年12月9日、世界保健機関は天然痘の根絶を公式に宣言しました。

これは人類史上初めて根絶が成功したウイルス感染症となり然痘は、根絶が達成された最初の病気として人類史の輝かしい記録に残ります。

天然痘の根絶は、医療関係者、疫学者、政府、世界保健機関など、多くの人々の協力と努力の結果で根絶の成功は、ワクチンの開発と普及、予防接種キャンペーン、監視体制の強化など、多くの要素の組み合わせによって実現されました。

ただし、天然痘ウイルスは一部の研究所に保存されているため、安全な保管と研究の継続が重要で天然痘の再導入を防ぐためにも、感染の早期警戒と対応策の維持が重要です。


切手は1978年アイルランド発行の「エドワード・ジェンナーが予防接種をしている絵画」を描いたものです。

ジェンナー種痘.絵画.アイルランド.1978



切手は1978年国連ニューヨーク発行の「天然痘の根絶記念切手」の中の一枚で、天然痘ウイルスが描かれています。


天然痘ウイルス.1978.国連