古代ローマ時代に使用されていたコンクリート(ローマン・コンクリート)は、現代のコンクリートの寿命が約50~100年ほどなのに対しより高い耐久性を誇り、2000年以上経過した現在も多くの建造物が残っています。
ローマン・コンクリートは、1000年以上の時間をかけてコンクリート内で新しい鉱物が形成され、今のなお強度が高まっていると言われています。
これらのコンクリートの間には、ミネラルの連晶ができ、その結晶によりヒビを防ぐ働きをします
その秘密は近年、科学的な調査によって徐々に解明されつつあります。
1. 火山灰の利用
ローマン・コンクリートの主要な材料の一つは、火山灰で火山灰にはポゾランと呼ばれる成分が含まれており、これが水と石灰と反応して強度を高める化合物を生成することから現代のコンクリートに使用されるセメントよりも優れた性質を持つと言われています。
2. 海水の利用
従来の考えでは、海水はコンクリートを腐食させる原因と考えられていましたが、近年では海水中の塩分がコンクリート中の微細な亀裂を修復する効果があることが判明し海水に含まれる硫酸イオンとカルシウムイオンが反応して、新たな結晶を形成し、亀裂を塞ぐのです。
3. 生石灰の利用
ローマン・コンクリートには、生石灰と呼ばれる未消石灰が含まれていることが分かっていて、生石灰は水と反応して熱を発しコンクリートの硬化を促進し、更に生石灰は時間をかけてゆっくりと消石灰化し、その過程でコンクリート内部の微細な空隙を埋めて強度を高めます。
4. 高温での混合
古代ローマでは、コンクリートの材料を高温で混合していることにより、この高温混合によってポゾラン反応が促進され、り強度の高いコンクリートが生成されます。
5. 緻密な施工
古代ローマの建設技術は非常に高度で、コンクリートを緻密に施工して、型枠を用いて均一な厚さにコンクリートを流し込み、十分な養生を行うことで、高い耐久性を発揮するコンクリート構造を作り上げていました。
これらの要素が複合的に作用することで、ローマン・コンクリートは現代のコンクリートを凌駕する耐久性を獲得したと考えられています。
近年では、これらの秘密を解明した技術を応用した、新たなコンクリート材料の開発も進められています。
切手は1991年ドミニカ国発行の「遺跡切手」の中の一枚で、コロッセオが描かれています。
切手は2004年イタリア発行の「創立記念日切手」の中の一枚で、コロッセオが描かれています。
切手は1931年フランス発行の「観光切手」の中の一枚で、ポン・デュ・ガールが描かれています。
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