ピーリー・レイースの地図は、1513年にオスマン帝国海軍提督で世界地図や航海案内書の作者として知られるピーリー・レイース(1465?~1554)によって作成された世界地図で現存する2つの世界地図のうち、1つがこの地図であり、もう1つは1528年に作成されたものです。
この地図は、ガゼルの羊皮紙で作られたもので、インド洋を描いていたと思われる右半分は失われてしまっています。現存する部分は大西洋を中心に描いた左半分の断片です。
【特徴】
この地図には、いくつかの特筆すべき特徴があります。
1.詳細なアメリカ大陸
この地図は、クリストファー・コロンブスがアメリカ大陸を「発見」し、アメリゴ・ヴェスプッチが南アメリカを調査してから間もない時期に描かれているにもかかわらず、アメリカ大陸を非常に詳細に描いており、コロンブスやヴェスプッチの原図が失われた現在では、アメリカ大陸を描いた史上最古の地図といわれています。
2.南極大陸の可能性
地図の南下には、南極大陸の一部と推測される海岸線が描かれていますが、これは南アメリカ大陸の海岸線を紙面の都合で曲げて描いただけであるという説も有力です。
3.複数の情報源
ピーリー・レイースは、この地図を作成するために、古代ギリシャの地図や、コロンブスやヴェスプッチの航海記録など、複数の情報源を参考にしたとされています。
【謎】
ピーリー・レイースの地図には、いくつかの謎が残されています。
1.南極大陸の描写
前述の通り、地図には南極大陸の一部と推測される海岸線が描かれていますが、当時の技術で南極大陸を観測することは不可能だったと考えられています。
2.正確な位置情報
地図に描かれている大陸や島々の位置情報は、驚くほど正確ですがねピーリー・レイースがどのようにしてこれらの情報を得たのかは、まだ解明されていません。
3.オーパーツ説
これらの謎から、ピーリー・レイースの地図は、古代文明の失われた知識が記されたオーパーツであるという説も唱えられています。
現在ピーリー・レイースの地図は、イスタンブールのトプカプ宮殿博物館に展示されています。
切手は1983年トルコ発行の「ヨーロッパ切手-人類の天才と偉業」で、ピーリー・レイースとともに彼の地図が描かれています。
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