三星堆文明は、紀元前2800年頃から紀元前1100年頃にかけて、中国の四川省に栄えた古代文明で遺跡は、四川省広漢市の鴨子河南岸に位置し、1986年に偶然発見されました。

三星堆文明は、青銅器文化を特徴とし出土した青銅器は、大型の青銅人像や青銅神樹、青銅面具など、独特の造形と技術を誇るものです。

また、黄金や玉器などの工芸品も多く出土しており、当時の高度な技術力をうかがわせます。

三星堆文明の起源や終焉については、まだ多くの謎が残されていますが、その豊かな文化は、中国の古代史において重要な位置を占めています。

三星堆遺跡から出土した仮面と彫刻はモンゴロイドには似ていないため、チグリス川とユーフラテス川流域にあるシュメール文明から由来したとの見方もあります。

三星堆遺跡からは、青銅製の仮面、太陽神、三足鳥などの巨大な青銅像、象牙製の装飾品など、数多くの貴重な遺物が発掘されています。これらの遺物は、当時の古蜀文化の高度な技術力と豊かな文化を物語っています。

三星堆遺跡の遺物には、異形と呼ばれるものも多くあります。例えば、青銅製の仮面は、縦に大きく開いた目が特徴的です。また、太陽神像は、頭に羽のような冠を戴き、手には蛇を握っています。

これらの異形の遺物から、三星堆遺跡は異星文化であるという説が唱えられてきました。

しかし、近年の研究により、これらの遺物は、古蜀文化の独自の宗教観や信仰を反映したものであることが明らかになってきています。

例えば、青銅製の仮面は、古蜀文化の神話に登場する神の姿を模したものと考えられています。

また、太陽神像は、古蜀文化の太陽崇拝を象徴するものと考えられています。

したがって、三星堆遺跡は異星文化ではなく、古蜀文化の独自の文化を示す遺跡であると考えるのが妥当でしょう。

ただし、三星堆遺跡の遺物は、いまだに多くの謎に包まれています。

例えば、遺跡の規模や、古蜀文化の起源や終焉などについては、依然として不明な点が多いのです。

今後の研究により、三星堆遺跡の謎が解き明かされることが期待されます。


切手は2012年中国発行の「三星堆青銅器小型シート」で、三星堆遺跡から出土した有名な「縦目仮面」と「祭祀人物座像」が描かれています。



三星堆文明.中国.2012



切手は2001年中国発行の「中国・エジプト出土品切手」の中の一枚で、三星堆遺跡から出土した三星堆金面人頭像が描かれています。



三星堆金面人頭像.中国.2001