今回は1986年4月26日に発生下チェルノブイリ原発事故の「闇」について掘り下げてみましたのでお付き合いください。

この事故は、1986年4月26日にソビエト連邦のウクライナ共和国チェルノブイリ市近郊にあるチェルノブイリ原子力発電所4号炉で発生した原子力事故で史上最悪の原発事故とされていて世界中に多大な影響を与えました。

チェルノブイリ原発事故の闇とは、事故の原因や被害の隠蔽、事故後の対応など、事故に関する様々な問題を指します。

事故の原因としては、原子炉内の冷却水が不足し、炉心の温度が上昇したことによるもので炉心の温度上昇によって原子炉の制御棒が機能しなくなり、炉心溶融に至りました。

しかし、事故の原因には、以下のような問題も指摘されています。

1.情報の非公開

当初、ソ連政府は事故の詳細を完全に秘密にし事実を隠蔽していましたがこれが「闇」や不透明性を生んだ一因です。

2.避難の遅れと被害の拡大

避難が遅れたことにより、放射線被害が拡大し事故の影響を受けた地域の住民に対する正確な情報が不足していたこともあります。

3.作業員の犠牲

原発事故の対応において、多くの作業員が被ばく、犠牲になりましたが、その中には事故の初動対応に携わった消防士や兵士も含まれています。

4.長期的な影響

放射線の影響は長期的で健康被害や環境への影響が今もなお続いてこれらの側面も「闇」を感じさせる要因となっています。

現在でも、チェルノブイリ原発事故に関する情報が解明されていない側面もあり、それが「闇」を感じさせる一因となっています。

事故の収束のためには、原子炉の残骸を覆うための「石棺」の建設が必要となったことから、その石棺は1986年から1989年にかけて建設され事故の放射能放出を抑制しました。

また、被害の拡大防止のために周辺地域の汚染除去作業が行われ、汚染除去作業には60万から80万人の労働者が従事し、1995年まで続きました。

しかし、チェルノブイリ原発事故による被害は、事故から30年以上経った現在も続いて、事故の影響で周辺地域では、甲状腺ガンなどの健康被害や家畜や野生動物の奇形が多数報告されています。

これからも森林や農地の汚染により、環境への影響も懸念されています。

事故の原因について、ソビエト政府による破壊工作であったとする陰謀論も存在します。

この陰謀論は、ソビエト政府が西側諸国への牽制や、原子力発電所の安全性を疑わせるための工作を行ったというものです。

この陰謀論は、事故の直後から一部の欧米のメディアで報じられるようになりましたが、ソビエト政府や事故の調査委員会はこの陰謀論を否定しています。

破壊工作を行った当事者は、『はい!やりました』とは絶対に言いません。

陰謀論を支持する根拠としては、以下のようなものが挙げられます。

1.事故の原因となった原子炉の設計には、致命的な欠陥があった。

2.事故当時、原子炉の安全装置は故障していた。

3.事故の原因究明を担当したソビエト政府の調査は不十分だった。

しかし、これらの根拠はいずれも、事故の原因が人為的ミスや原子炉の設計上の問題であることを示すものであり、ソビエト政府による破壊工作を裏付けるものではありません。

逆に陰謀論を否定する根拠としては、以下のようなものが挙げられます。

1.事故の直後、原子炉の周辺には、破壊工作の痕跡は見つからなかった。

2.事故の原因となった原子炉の設計は、当時のソビエト連邦の技術水準では標準的なものでした。

3.事故当時、原子炉の安全装置は、定期的な検査で正常に機能していたことが確認されている。

これらの根拠から、チェルノブイリ原子力発電所事故は、ソビエト政府による破壊工作ではなく、人為的ミスや原子炉の設計上の問題など、複数の要因が重なって発生したものであると考えるのが妥当であると言えるでしょうか????

切手は1996年ベラルーシ発行の「チェルノブイリ事故10周年切手」で、目の中に放射線ハザードシンボル(左上)・木の葉の中に放射線ハザードシンボル(左下)・事故を起こしたチェルノブイリ原発(右上)・放射線ハザードシンボルがついた板張りの窓(右下)が描かれています。

チェルノブイリ.ベラルーシ.1996



切手は2001年ベラルーシ発行の「チェルノブイリ事故15周年切手」で、涙を流す女性が描かれています。

チェルノブイリ事故15周年.ベラ.1996



切手は2006年ベラルーシ発行の「チェルノブイリ事故20周年切手」で、きれいに咲いた花と放射線ハザードシンボルを配した20の文字とチェルノブイリ原発が描かれています。



チェルノブイリ事故20周年.ベラルーシ.2006


切手は2011年ベラルーシ発行の「チェルノブイリ事故25周年切手」で、きれいに咲いた花とチェルノブイリ原発が描かれています。


チェルノブイリ事故25周年.ベラルーシ.2011


切手は2021年ウクライナ発行の「チェルノブイリ事故 35 周年記念切手」で、未来を見据えてと題して希望のある未来を表現しています。



チェルノブイリ事故 35 周年記念切手.ウクライナ.2021