ホッキョクグマは、北アメリカ大陸北部、ユーラシア大陸北部、北極圏に生息しています。

ホッキョクグマの肉は人間の食用となるり、イヌイットたちはホッキョクグマを伝統的に食用としてきたほか、ヨーロッパの探検隊は持ってきた食料が無くなった時などにホッキョクグマを捕食していました。

更に彼らの毛皮は北極の気候にも耐える非常に有用な防寒具であったために古来より人気があり、これらの結果乱獲によりその個体数を減らしています。

彼らの肉はイヌイットたちは食しますが、肝臓は決して口にしません。

ホッキョクグマの肝臓は危険なのです。

ホッキョクグマは、主に魚類やアザラシなどの動物性脂肪の多い餌を食べていいることからホッキョクグマの肝臓には、ビタミンAが大量に含まれています。

ホッキョクグマは、北極の生態系の食物連鎖の頂点に位置するので体内に蓄積されているビタミンAの濃度が他の動物より圧倒的に高く、生存に必要なレベルを超えたビタミンAは自分の肝臓に蓄えておき必要に応じて少しずつ取り出して使います。

そのためにホッキョクグマの肝臓には膨大な量のビタミンAが高濃度に濃縮されていのです。

ビタミンAは、皮膚や粘膜の健康維持、視力維持、免疫機能の向上など、さまざまな役割を果たす重要な栄養素でが、過剰に摂取するとビタミンA過剰症を引き起こす可能性があります。

ビタミンA過剰症の症状は、頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感、皮膚の乾燥、脱毛などで、重症化すると、肝障害、骨軟化症、骨折、視力障害、死に至ることもあります。

北極圏に住んでいるイヌイット族はこの事を経験的に知っていて、ホッキョクグマの肉を食べても、肝臓だけは食べなかつたのです。

しかし北極の探検家たちが、その事実を知っていた筈もなかったので、ホッキョクグマの肝臓まで食べてしまいその結果、全身の皮膚が剥がれて死に至る恐ろしい現象を体験したのです。

当時はまだビタミンAの存在は知られていません。

ホッキョクグマの肝臓を100g摂取すると、成人男性の1日の摂取量の上限である10,000IUの約10倍のビタミンAを摂取することになることから、ホッキョクグマの肝臓はたとえ加熱しても食べないように注意が必要です。

まとめますと、ホッキョクグマの肉に毒があるのではなく、肝臓には高濃度のビタミンAが含まれているので人間が食べると死ぬということです。

【おまけの話】

ホッキョクグマは俗にシロクマと呼ばれることも多く、日本初のホッキョクグマは、1902年(明治35年)上野動物園で公開されましたが、このクマは新潟県で捕獲されたアルビノの白いツキノワグマでこのクマを「シロクマ」と呼んでいたました。

切手は2006年ロシア発行の「ヤクートの動物切手」の中の一枚で、ホッキョクグマの親子が描かれています。


ホッキョクグマの親子.ロシア.2006


切手は1998年カナダ発行の「観光名所切手」の中の一枚で、ホッキョクグマが描かれています。



ホッキョクグマ.カナダ.1998


切手は2013年グリーンランド発行の「ホッキョクグマ切手」の中の一枚で、ホッキョクグマが描かれています。

ホッキョクグマ.グリーンランド.2013


切手は2011年ジブラルタル発行の「絶滅危惧動物切手」の中の一枚で、ホッキョクグマが描かれています。

ホッキョクグマ.ジブラルタル.2011


切手は2011年ノルウェー発行の「動物切手」の中の一枚で、ホッキョクグマが描かれています。



ホッキョクグマ.ノルウェー.2011