スウェーデンの科学者カール・ヴィルヘルム・シェーレ(1742-1786)は、18世紀最高の科学者とされていますが、ほとんどの人は彼を知らないのが現実です。

彼はシュウ酸、クエン酸、安息香酸、乳酸、尿酸、亜ヒ酸およびモリブデン酸などの多くの化学物質を発見し、塩素、マンガン、バリウム、モリブデン、タングステン、窒素、酸素などの化学元素の発見にも功績がありましたが、いずれも発見の栄誉を得ていません。

その理由としては、彼の研究が未完成であった事のみならず、彼がその発見事実を他の研究者が同じ結果を発表するのに先立って発表しなかったためです。

彼の最大の発見は、1771~72年にかけてなされた酸素の発見ですが、彼はこの発見と研究に用いた実験法を、1775年詳細な論文として書きましたが、1777年まで出版されなかったためにイギリスの自然哲学者ジョゼフ・プリーストリー(1733~1804)に発見の栄誉を譲ることになります。

また彼ば空気は酸素と窒素の二種類の気体からなり窒素は燃焼を妨げると明らかにしています。

更に現在の低温殺菌法に似た技法も開発しています。

カール・ヴィルヘルム・シェーレは、大きの発見をしているにも関わらず不運にもその栄誉を得ることができなかった不運な科学者です。


切手は1942年スウェーデン発行の「カール・ヴィルヘルム・シェーレ生誕200年記念切手」で、彼の肖像が描かれてます。


シャーレ.スウェーデン.1942