ヒトゲノムとは、一言でいうとヒトのもつ全遺伝子情報のことです。

ゲノムとは、遺伝子「gene」と全体を意味するラテン語「ome」から成り立つ造語です。

2022年4月、米国国立ヒトゲノム研究所などの国際チームがヒトゲノム解析に成功したと科学誌サイエンスで発表しました。

ヒトゲノムの解読は、1990年から『ヒトゲノム計画』を開始して2003年には完了が宣言されていますが、実際には当時の技術では解読困難な部分が8%残っていました。

ヒトゲノムは約30億の対の塩基配列で構成され、細胞の中にある46本の染色体に収められています。

染色体の末端や中央にある配列は繰り返しが多く複雑であったことから、解読が難しくなかなか完了しないのが現実でしたが、新しい手法の開発によってこうした配列の解読を可能にしたことになります。

ヒトゲノム解析によって医学やバイオテクノロジーの飛躍的な発展と、ガンやアルツハイマー病などの難治性の疾患の治療に役立つものになると期待されています。

ヒトゲノム解析の結果生じる最も大きな問題点は、個人の遺伝情報が非常に大きな意味を持ち、社会的に大きな影響を与える可能性があることが指摘されています。

現実米国では、1991年に保険会社が遺伝子検査の結果によって加入を拒否するというケースや、大学卒業時の就職でも遺伝子診断の結果、就職を断られるという問題が発生しています。


切手は2003年イギリス発行の「DNA発見50年記念切手」の中の一枚で、ジグソーパズルになぞらえてヒトのゲノムの解析を行っていることが描かれています。



ヒトゲノム解析.2003.イギリス



切手は2003年オーストラリア発行の「DNA発見50年記念切手」の中の一枚で、カンガルーの染色体が描かれています。

カンガルーの染色体.2003.オーストラリア



切手は2021年中国発行の「中国の技術成果切手」の中の一枚で、今昔の対比、DNA、古代地層など有史以前の中国の人類の遺伝と進化の歴史を直接浮かび上がらせ、東洋、特に中国地域の有史以前の人類の遺伝、進化、適応の重要情報を描いています。


dna.中国.2021