赤い森とは、ウクライナのチェルノブイリ原子力発電所から10km圏内にある森を言います。
1986年4月26日のチェルノブイリ原子力発電所事故により放出された高レベルの放射性物質を取り込んだことにより枯死したマツが赤茶色に見えたので「赤い森」と呼ばれる所以です。
大量の放射性物質がこの地域に降り注ぎ、マツの木々は枯死したことから、マツの木々の大部分が伐採されてその場埋められ、その上を砂で厚く覆いマツの若木が植林されましたが伐採された木々は放射性物質による汚染がひどく木々が朽ちるにつれて放射性物質が地下水に達することが懸念されています。
この事故により広島に落とされた原子爆弾の20倍の放射性物質が降り注いだとされています。
赤い森のある場所の自然は今も生き続けています。
人間の与える影響が著しく減少したことにより繁栄しているように一見見えますが放射能汚染は深刻な状態となっています。
2022年2月に始まったロシアのウクライナ進行で、チェルノブイリ原子力発電所をロシア軍が占拠する際、赤い森内に塹壕を掘る作戦が決行された結果、ロシア兵内に多数の被曝者を出したという報道がされています。
原子力発電所は、発電時にCO2を排出しない、発電コストが安定しているというメリットがあり,エネルギーの供給安定性と経済性が謳われていますが、一度事故を起こすと未曾有の災害を引き起こすことになります。
チェルノブイリもそうですが、我が国では2011年3月11日14時46分頃に発生した東日本大震災での原発事故が良い事例です。
切手は1996年ベラルーシ発行の「チェルノブイリ原発事故10年記念切手」の中の一枚で、事故を起こしたチェルノブイリ原発が描かれています。
切手は1991年ソビエト連邦発行の「チェルノブイリ原子力発電所災害5周年記念切手」で、放射物質の落下によって汚染されて無惨な姿になったをハーブの一種のオウシュウヨモギ(Artemisia vulgaris)を描き、放射能汚染の危険性を表現しています。
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