ルルドはフランス南西部に位置するピレネー山脈にある小さな町で、1858年当時14歳のベルナデッタ・スビルー(1844~1779)がこの地で聖母マリアを18回も目撃し、マリアのお告げでベルナデッタが触れた岩の間から奇跡的な治療力を持つ霊泉が湧き出たと伝えられています。

ベルナデッタによって発見された霊水によって不治の病の治癒例が7000件報告されていますが、教会が公認したものだけでも68例にのぼり、ルルドはカトリック教会の最大の巡礼地の一つとなり現在も多くの巡礼者が訪れています。

ベルナデッタは、後に修道女となりますが、持病の気管支喘息に加えて肺結核や脊椎カリエスといった難病に苦しみながらも、様々な雑用や看護婦としての仕事に従事し、1879年4月16日に35歳の若さでこの世を去ります。

彼女の死後1925年に列福、1933年12月8日、ローマ教皇ピウス11世によって列聖されます。

ベルナデッタによって発見された霊水によって不治の病の治癒例が多く見られ、教会が公認したものだけでも68例に登りますが、特に有名なものとしては、1912年に『血管縫合および血管と臓器の移植に関する研究』でノーベル生理学・医学賞を受賞することになる若き医学生のアレクシス・カレル(1873~1944)目の前で起こりました。

フランスの小説家エミール・ゾラ(1840~1902)の『ルルド』(1894)を読み、単なる好奇心でルルドにおもむいたカレルは、マリー・フェランという名前の末期の結核患者に出会いますが、彼女は重い結核性腹膜炎を患い回復の余地はありませんでしたが、マリーの最期の願いはルルドの泉で水浴をすることでした。

マリーの病状は手の施しようのない程悪く担架で泉まで運んでも途中で亡くなるだろうと思われていましたが、この霊水で回復したことを目の当たりに見て、奇跡に直面し超自然現象に見せられたことを『ルルドへの旅』に記載しています。

切手は1993年トランスカイ発行の「著名人切手8集」の中の一枚で、アレクシス・カレルの肖像とともに負傷兵の血管縫合をしている光景が描かれています。
左下の聴診器のマークは初日印の一部です。



カレル.トランスカイ.1993


切手は2001年ミクロネシア発行の「ノーベル賞受賞者切手」の中の一枚で、アレクシス・カレルの肖像とその後ろにアルフレッド・ノーベルの横顔が描かれています。


カレル.ミクロネシア.2001


切手は2008年サントメ・プリンシペ発行の「ルルド温泉発見150年記念切手」の中の一枚で、聖母マリアの出現と14歳のベルナデッタ・スビルーが描かれています。



ルルドのマリアと発見者.サントメ・プリンシペ.2008