ダークマターとは、「観測可能な物質だけでは銀河を形成するのに十分な重力を得られない」という研究結果を基に、1933年にスイス生まれで米国の天文学者であるフリッツ・ツビッキー(1898~1974)が提唱した物質です。
ダークマターは、宇宙に存在する物質のうち、原子や分子など通常の物質とは異なる性質を持ち、観測によって直接検出されていない仮想的な物質です。
※日本語では暗黒物質と呼ばれています※
その存在が予測されたのは1930年代以降で、現在では宇宙の大規模構造や銀河の運動などの観測から、その存在が推測されています。
ダークマターは、重力相互作用によって通常の物質と相互作用しないため、光や電磁波などの放射線で観測することができません。
これまでに行われたダークマターの探索には、地下深部に設置された検出器を用いたり、宇宙線の観測などが含まれますが、直接的な検出には至っていません。
ダークマターの存在は、宇宙の大規模構造の形成や分布、重力レンズ効果、銀河団の速度分布などの観測から、その存在が推測され、これらの観測からダークマターは宇宙全体に広がり、通常の物質のおよそ5倍の存在量があるとされています。
ダークマターが何でできているかはまだ不明ですが、仮説としては軽い超対称性粒子やアクシオンなどの候補があります。
今後の宇宙観測や粒子加速器実験などによって、ダークマターの正体が解明されることを期待されています。
ダークマターの存在が初めて示唆されたのは、1933年のことで当時、アメリカの天文学者エドウィン・パウエル・ハッブル(1889~1953)は、遠方の銀河の回転速度が、その銀河の質量だけでは説明できないことを発見しました。
この発見から、ハッブルは、銀河内に、質量を持った何らかの物質が存在しているのではないかと考えこの物質が、ダークマターと示唆されたのです。
その後、ダークマターの存在を支持する観測事実は、さらに多く発見されました。
例えば、銀河団の運動を観測すると、銀河団の質量だけでは説明できないほどの重力があることがわかります。
また、宇宙の膨張速度が、宇宙の年齢に比べて速すぎることも、ダークマターの存在を支持する証拠の一つです。
ダークマターの正体が解明されることで、宇宙の構造や進化の理解が深まると期待されています。
切手は2000年米国発行の「ハッブル画像小型シート」で、切手にはハップル望遠鏡で観測したワシ星雲、リング星雲、ラングーン星雲、エッグ星雲、銀河系NGC1316最上部切手右から順に)が描かれ、シート面には米・パロマ山天文台の48インチ望遠鏡を覗くエドウィン・ハッブルが描かれてています。
切手は2008年米国発行の「米国の科学者切手」の中の一枚で、エドウィン・パウエル・ハッブルが描かれています。
切手は2000年米国発行の「宇宙観測切手」の中の一枚で、ハッブル望遠鏡が描かれています。
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