邪馬台国と卑弥呼(?~247)は、日本の歴史において未だに謎が多いとされています。

邪馬台国は、2~3世紀にかけて日本列島に存在したとされる国のひとつで、邪馬台国は、倭女王卑弥呼の宮室があった女王国であり、倭国連合(邪馬台国連合)の都があったとされています。

邪馬台国については、中国の史書『三国志』内にある「魏志倭人伝」にて記載がありますが、日本に存在する歴史書には一切書かれていないため謎に包まれたままです。

邪馬台国の位置は、「邪馬台国九州説」と「邪馬台国畿内説」が有力でが、いまだのその位置は特定されていません。

邪馬台国の位置についての論議は、江戸と時代からされていて江戸時代前期の歴史家・松下見林(1637~1704)は、「邪馬台」を「ヤマト」と読み、大和国(現、奈良県)を指すとしました。

儒学者の新井白石(1657~1725)も最初は大和説を唱えますが、その後、『魏志倭人伝』の記述を採用して九州説に転じます。

国学者・医師として著名で『古事記伝』44巻を完成させた本居宣長(1730~1801)は、卑弥呼を九州の熊襲(くまそ)の女酋長であるとし九州説を唱えました。

この件については、『宣長についてよく語られる間違いのコレクション』に詳しく解説されていますので参照されることをお勧めします。


『宣長についてよく語られる間違いのコレクション』



邪馬台国は代々男子が倭国王位を継承していたようですが、女子である卑弥呼を王にすることで混乱を収束させ、卑弥呼は魏への朝貢を行い、親魏倭王の称号を授かるなど、日本・中国の歴史において重要な人物であることは間違いないと考えられていますが、彼女のことも何もわかっていないのが現実です。


切手は2001年日本発行の「文化人切手」の中の一枚で、本居宣長の肖像画と『古事記伝』が描かれています。



本居宣長.2001


スタンプは知人からもらったものですが、白河市生涯学習センター歴史資料展示室来館記念スタンプ(〒370-2395 群馬県白岡市大字下小林字中小路303番地1)で新井白石が描かれています。



新井白石.スタンプ


切手は2008年「まぼろしの邪馬台国制作委員会」作成のオリジナルフレーム切手で、同作のクライマックスシーンで吉永小百合が扮する卑弥呼の姿が記念切手になったものです。


吉永小百合.卑弥呼.2008


※映画『まぼろしの邪馬台国』2008年11月公開※

【キャスト】吉永小百合、竹中直人

【スタッフ】原案:「新装版 まぼろしの邪馬台国」宮崎康平(講談社文庫) 監督:堤幸彦
脚本:大石 静

販売元:東映ビデオ㈱

本作は、邪馬台国を探し出すことに執念を燃やす盲目の文学者・宮崎康平(昭和40年代に全国に邪馬台国ブームを起した盲目の文学者 1917~1980)の妻和子(1929~2022)、演じるはとっぴな行動で注目を集めた康平を竹中直人が、どこか憎めない康平にひかれ、二人三脚の人生を歩む和子を吉永小百合です。

書物から邪馬台国の全貌を明らかにするには限界があり、和子は実際の場所に行って確かめようと康平に提案し、"私があなたの目になります"と彼を支えます。

康平の夢はいつしかふたりの夢となっていたのです。

九州の美しい大自然を舞台に、ふるさとに眠る太古の謎を解き明かそうとした、二人の旅が今始まります。

映画最後のクライマックスに竹中直人演じる宮崎康平の見る幻想の中に探し求めている邪馬台国が浮かび上がり、吉永小百合がふんする卑弥呼が登場します。

『まぼろしの邪馬台国』は、1967年に講談社から刊行されベストセラーとなり学者の間でしか知られることになかった邪馬台国論争を一般にまで広めた書籍です。

宮崎康平はこの功績により、同年創設された第1回吉川英治文化賞を受賞しますが、この書籍が妻・和子の口述筆記によるものであったことから同賞は夫妻に対して贈られています。

書籍とDVDともに一見の価値があります。