紀元前5世紀に起こった"アテネの疫病"です。
ヨーロッパで最も古い疫病の事例のひとつがアテネの疫病です。
この時期は古代アテネはペリクレス(紀元前495~紀元前429)の指導の下で輝かしい発展を遂げていました。
アフリカで発生した疫病だと推測されていますが、古代アテネをはじめとする地域での被害が大きかったことからこの名前が付けられました。
古代アテネの歴史家トゥキディデス(紀元前460~紀元前395)の書き残した『戦史』よりますと、この疫病の主な症状は発熱・激しい咳・目の充血・舌や喉からの出血・潰瘍なと記録されています。
※トゥキディデスは自らも疫病に罹りながら生き残った※
この疫病でわずか5年でアテネの人口の25%にあたる10万人が死亡したとのことです。
この疫病は腸チフス熱が原因と古くから言われてきましたが未だはっきりとしたことはわかっていません。
更にエボラウイルスによるエボラ出血熱とも言われていますが、これも確定的な証拠が得られていません。
トゥキディデスは「不安やパニックがまん延しアテナイが無法状態に陥った」という記録も残しており、社会学的にも大きな問題となった出来事だと推測できます。
【パンデミック】
パンデミック(pandemic:人獣共通感染症の世界的大流行を表す意味)とは、世界各地の国や地域でエピデミック(過感染)が発生することを言います※
【例】最近では2020年からの新型コロナウイルスの流行、過去にはアテネの疫病(紀元前5世紀)、アントニヌスの疫病(2世紀)、ユスティニアヌスのペスト(6世紀)、中世のペスト、1919年のスペイン風邪の流行が挙げられます。
切手は1959年ギリシャ発行の「古代ギリシャの美術切手」の中の一枚で、ペリクレスの彫像が描かれています。


切手は1998年ギリシャ発行の「古代ギリシャの作家切手」の中の一枚で、トゥキディデスの彫像が描かれています。

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