この作品はジュール・ヴェルヌが1864年に発表した古典的なSF小説・冒険小説で、原題を直訳すると「地球の中心への旅」ですが、日本では『地底探検』と翻訳されています。

ドイツ・ハンブルクの旧市街に住むヨハネウム学院の鉱物学教授オットー・リーデンブロックは、骨董店で購入した古書にルーン文字で記された暗号文が書かれた羊皮紙のメモが挟んであることに気づき、これを解読した結果"アイスランドのスネッフェルス山の頂にある火口の中を降りていけば、地球の中心にたどり着くことができる"という趣旨のラテン語文が書かれていたのでした。

そして教授は、手早く旅支度をすませ、嫌がるアクセルを連れアイスランドへ向かい現地で雇った有能な案内人ハンスと共に、彼らはスネッフェルス山の火口を下って行くのです。

彼らはやがて地下の大空洞に到達し、「オーロラのような放電現象」で照らされたこの大洞窟には海があり、巨大なキノコの森が繁茂し、さらには地上では既に絶滅したはずの古生物たちが闊歩している光景を目の当たりにします。

地底を彷徨いやがて活火山の火道に迷い込み、噴出するマグマ気付き、怖気づき絶望するアクセルに、教授はこれこそ地上に帰る最後のチャンスだと諭すし、そしてその言葉どおり、彼らはイタリア南部の地中海に浮かぶストロンボリ島の火山噴火に乗じて地上に無事に生還することになります。

この探検を終えて無事生還した3人は偉人として迎えられ讃えられるという物語です。

切手は2005年フランス発行の「ジュール・ヴェルヌ小説切手」の中の一枚で、『地底旅行』に向かう3人のヨットと大海原の怪獣が描かれています。



地底旅行.フランス.2005