マラリアは、熱帯から亜熱帯に広く分布するマラリア原虫による感染症で、マラリア原虫(プラズマウディアム:plasmodium)をもった雌蚊(ハマダラカ属)に刺されることで感染する病気です。
ハマダラカとは、日本名で翅に白黒のまだら模様があることに由来しています。
マラリアは、三日熱マラリア原虫(プラズマウディアム・ビバックス:Plasmodium vivax)、四日熱マラリア原虫(プラズマウディアム・マレアリア:Plasmodium malariae)、卵形マラリア原虫(プラズマウディアム・オヴァール:Plasmodium ovale)、熱帯熱マラリア原虫(プラズマウディアム・ファルスィパラム:Plasmodium falciparum)によって引き起こされます。
WHOの最新の「世界マラリア報告書」によれば、2020年のマラリア患者数は2億4100万人、マラリアによる死亡者数は62万7000人と推定されています。
マラリア原虫を持つハマダラカが吸血する際にヒトの体内に侵入したマラリア原虫は、肝臓ステージを経て赤血球に侵入します。
赤血球に侵入したマラリア原虫は輪状体、アメーバ体を経て、分裂体に分化し、その後赤血球が破裂し、マラリア原虫が再び血中に放出されたマラリア原虫は、再び新たな赤血球に侵入します。
この赤血球内発育サイクルを繰り返すことでマラリア原虫は宿主体内で増殖します。。
マラリアを発症すると、40℃近くの激しい高熱に襲われるますが、比較的短時間で熱は下がりますが、三日熱マラリアの場合48時間おきに、四日熱マラリアの場合72時間おきに、繰り返し激しい高熱が出ます。
これは発熱の二日後あるいは三日後に再発熱することから、最初の発熱日を一日目として数えると、三日目、四日目に次の発熱が起きることになります、これが三日熱、四日熱と呼ばれる所以です。
卵形マラリアは三日熱マラリアとほぼ同じで50時間おきに発熱しますが、熱帯熱マラリアの場合には発熱の周期性はありません。
発熱する原因は、マラリア原虫が赤血球の中で生育し、原虫が血中に出る際に赤血球を破壊するため発熱が起こるのです。
例えば三日熱マラリアでは48時間ごとに原虫が血中に出るときに赤血球を破壊するため、それと同時に発熱が起こる訳です。
熱帯熱マラリアは発症から24時間以内に治療しないと重症化し、しばしば死に至ります。
切手は1978年ポーランド発行の「第4回寄生虫学会記念切手」で、マラリア原虫を媒介するアノフェレス蚊と3日熱マラリア原虫が描かれています。


切手は1985年ケニア発行の「第7国際現生物学会記念切手」で、マラリア原虫を媒介するアノフェレス蚊とマラリアで苦しむ患者とともにマラリア原虫のライフサイクルが描かれています。

切手は2012年ギニアビサウ発行の「マラリア制圧4面小型シート」の中に収められた一枚で、マラリア原虫を媒介するアノフェレス蚊の吸血光景とマラリア原虫の肝臓ステージを経て赤血球に侵入するサイクルが描かれています。
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