シラミに似て、タイセイヨウサケ(アトランティックサーモン)などに寄生することからサケジラミと呼ばれています。
サケジラミ(Lepeophtheirus salmonis)は体長1cm前後で、「海シラミ」の一種で体表に寄生し表皮や粘液を食べることによりサケの皮膚を傷つけて出血を起こすなど商品価値を落としてしまいます。
サケジラミは人体への害はなく、通常は輸送や加工の段階で自然に除去されます。
サケが産卵で川に上って来る途中でサケジラミは死んでしまいます、要するにサケシジラミは淡水域では生きられない寄生虫(海水性寄生虫)で、海から上がったサケに寄生しています。
欧米のタイセイヨウサケ養殖では最も厄介な寄生虫症です。
ノルウェーで養殖サケの寄生虫感染が急増しており、関係者は天然サケへの感染拡大を懸念しています。
日本国内においては東北地方のギンザケ養殖で軽度の感染が見られますが、訪米のように問題となっていません。
極めて稀ですが、国内のスーパー等で購入したサケにサケジラミがついていたという報告もあります。
◎おまけの話◎
ブラウントラウトは、釣り目的の自然界への放流や釣堀への供給のため、北アメリカ、南アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、日本などに持ち込まれた経緯のある魚です。
オーストラリアや北海道などでは地域の淡水生態系が破壊されて問題となっており、北海道ではサケやマスの卵や稚魚を活発に捕食するため、2000年代に入ってからは特に注目されてきている魚でもあります。
また食品として重要な魚であり大量に人工孵化させられるため、コルシカ島やアルプスの窪地などの閉鎖系では、天然個体群が絶滅してしまったところもあります。
一方、回遊性のブラウントラウトは、養殖場のサケやマスに寄生するサケジラミに感染しやすくなったために年々数が減っています。
切手は2022年ノルウェー発行の「研究・革新・技術切手」の中の一枚で、レーザー光線によるサケジラミの駆除が描かれています。
切手のGRコードを読み取りますと、『ノルウェー研究評議会』の解説サイトに繋がります。
※新しい切手に関する研究・革新・技術切手シリーズの解説がなされています(日本語変換も可能です)のでご興味があれば一度アクセスしてみてください※

切手は1994年フェロー諸島発行の「魚切手」の中の一枚で、ブラウントラウトが描かれています。

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