象皮病(ぞうひびょう:Elephantiasis)あるいは象皮症(ぞうひしょう)とは、主としてバンクロフト糸状虫などのヒトを宿主とするリンパ管・リンパ節寄生性のフィラリア類が寄生することによるフィラリア症です。

身体の末梢部の皮膚や皮下組織の結合組織が著しく増殖して硬化し、ゾウの皮膚状の様相を呈するため、この名で呼ばれる、陰嚢、上腕、陰茎、外陰部、乳房などで発症しやすい。

寄生虫のフィラリア類のうち、バンクロフト糸状虫などはヒトのリンパ管やリンパ節に成虫が寄生しますが、その雌は寄生主のリンパ管内でミクロフィラリアと呼ばれる幼生を多量に産生します。

これが原因となってリンパ管やリンパ節は炎症を起こしますが、この症状が慢性化すると、リンパ管が機能しなくなり、身体にむくみ(浮腫)が生じます。

そして、この浮腫の刺激によって皮膚や皮下組織の結合組織が増殖して硬化し、ゾウの皮膚のようになったのが、今回ご紹介の葉書に取り上げられている象皮症です。

なお、ミクロフィラリアはリンパ管から血管に入り込みますので、蚊を媒介として他の寄生主に運ばれていくことになります。

江戸時代には日本国内でも象皮症は流行していました。

西郷隆盛(1828~1877)は象皮病を患い、晩年は陰嚢が人の頭大に腫れ上がっていたと言われています。

はがきは2007年インド発行の「広告付はがき」で、象皮症の予防と治療と象皮症で腫れた右足が描かれています。


象皮症のはがき.インド.2007