オンコセルカ症は、河川盲目症とも呼ばれ、回旋糸状虫(Onchocerca volvulus)という寄生虫によって引き起こされます。 

回旋糸状虫に感染したシムリウム属のクロバエ(ブユ)に繰り返し咬まれることで感染します。

オンコセルカ症は,急流の河川において繁殖するブユ(Simulium属)を介して伝播することから河川盲目症という別称の由来です。

感染性の幼虫はブユの刺咬によって皮膚に接種され,12~18カ月で成虫に発育し、雌の成虫は皮下結節内で最高15年にわたり生存します。

体長は雌虫で33~50cm,雄虫で19~42mmである。成熟した雌虫はミクロフィラリアを産み,ミクロフィラリアは主に皮膚を移行して眼に侵入します。

約2500万人がオンコセルカ症に感染しており,うち約30万人に失明が,さらに84万人に視覚障害がみられ、オンコセルカ症は世界における感染性の失明原因の第2位となっています(第1位はトラコーマ)。

オンコセルカ症はアフリカの熱帯地域およびサハラ以南において最もよくみられ、イエメン,メキシコ南部,グアテマラ,エクアドル,コロンビア,ベネズエラ,およびブラジルアマゾンにも小規模の発生地が存在しています。

イベルメクチンの使用により,皮膚および眼のミクロフィラリア数は低下し,ミクロフィラリアの産出が何カ月にもわたり抑制され、この薬剤がオンコセルカ症の根絶に貢献しています。

切手は1971年オートボルタ発行の「オンコセルカ対策切手」で、河川の消毒・媒介するブユ・オンコセルカ症で失明した人々が描かれています。



オートボルタオンコセルカ.1971.


切手は1977年ニジェール発行の「オンコセルカ症との闘い切手」で、媒介するブユを殺す剣と瞳の中にWHOの記章が描かれています。


オンコセルカ症との闘い.ニジェール.1977