寄生虫とは、人や動物の表面や体内に寄生して栄養分を横取りする生物のことをいいます。
寄生される人や動物を宿主(しゅくしゅ)といい、寄生虫は宿主なしでは生きていけません。
寄生虫は宿主に害を及ぼす場合があり、この感染症を「寄生虫症」といいます。
人に害を及ぼす寄生虫は、世界では約200種類、日本では約100種類いるとされています。
寄生虫は、大きく分けて原虫(げんちゅう)と蠕虫(ぜんちゅう)の2つに分類されます。
また、ノミ、シラミ、ダニなども寄生虫に含まれます。
原虫は根足虫類(赤痢アメーバ)・鞭毛虫類(トリパノソーマ、膣トリコモナス)・胞子虫類(マラリア原虫、クリプトスポリジウム、トキソプラズマ)・有毛虫類(ヒトブラストシスチスなど)に分類されます。
蠕虫は、線虫類(回虫、イヌ回虫、ブタ回虫、アニサキス、蠕虫、バンクロフト糸状虫、イヌ糸状虫、糞線虫)・吸虫類(肝吸虫、横川吸虫、肝蛭、日本住血吸虫、マンソン住血吸虫)・条虫類(マンソン裂頭条虫、エキノコックス)などに分類されます。
寄生虫の感染経路や感染部位はその種類によって様々です。
最も多い感染経路は、生の魚介類や肉類、生野菜、飲料水の摂取で口から感染する経口感染です。
また、ペットに寄生している寄生虫が感染することもありますし、川や湖、土壌を裸足で歩くことで皮膚から幼虫が侵入して感染する経皮感染もあります。
性行為で感染する膣トリコモナス、ケジラミなどもあります。
マラリア原虫やトリパノソーマなどは、昆虫に刺されて感染する刺咬感染もあります。
寄生虫病は全世界に存在していますが、戦後、衛生状況が悪かった日本では寄生虫により健康被害を起こす人が多く存在していましたが衛生環境の改善に伴い我が国においては一昔前の寄生虫症はほぼなくなりつつあります。
しかし現在では、適切な処理をされていない魚介類などを生で食べて寄生虫に感染する例、ジビエブームに伴う加熱不十分な肉を食べる、性感染症によるによる感染、海外での感染、ペットからの感染などとして未だに寄生虫症は存在しています。
切手は1981年アルジェリア発行の「第12回世界包虫学会開催記念切手」で、牛の生肉 、イヌの糞便などの感染源と包虫に感染すると脳、肺、肝臓にできる包虫嚢が描かれています。
切手は1959年ブラジル発行の「マンソン住血吸虫発見50年記念切手」で、門脈に寄生するマンソン住血吸虫の成虫と虫卵及びその発見者(1908年に発見)のピラジャ・ダ・シルバ(1873~1961)が描かれています。
切手右にはSchistosoma mansoni(マンソン住血吸虫)の文字が記載されています。
マンソン住血吸虫は、英国の医師パトリック・マンソン(1844~1922)によって台湾で発見されたことから1907年に彼に敬意を表して名付けられましたが、彼の切手は未だに発行されていません。
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