質量不変の法則とも言われ、化学反応の際には反応する物質の全質量と生成する物質の全質量はまったく等しく,反応の前後において物質の全質量は変わらないという法則です。
この法則を解りやすく言うと『化学反応の前後において,物質の総質量は変化しない』ということになります。
例をあげますと炭素と酸素から二酸化炭素が生成する場合、
C+O2 → CO2
この反応において、炭素12gと酸素32gを反応させると二酸化炭素が44g生成します。
反応前は炭素12gと酸素32gで全体の質量は44g、反応後は二酸化炭素が44gあるので全体の質量は44gであり、反応の前後で全体の質量が変わっていないことになるのです。
この法則は1774年パリ出身の化学者アントワーヌ=ローラン・ド・ラヴォアジエ(1743~1794)により発見されています。
その他に彼は酸素の命名などにより近代化学の父と称されています。
しかしこの著名な科学者も1789年のバスティーユ牢獄襲撃から始まったフランス革命で、一時期、王制政府の下で徴税請負人を務めていた経験が「市民を苦しめる王の手先であった」として、革命政府から非難されたのです。
フランス全土に粛清の嵐が吹き荒れる中、彼は即決裁判によって死刑判決を受け、その日のうちに断頭台の露と消えました。
同時代のフランスの数学者で天文学者でもあったジョゼフ=ルイ・ラグランジュ(1736~1813)は、「ラヴォアジエの頭を切り落とすのは一瞬だが、彼と同じ頭脳を持つ者が現れるには100年かかるだろう」と、その早すぎる死を惜しみました。
切手は2011年トーゴ発行の「国際化学年小型シート」で、シート面には左から放射性元素(ポロニウムとラジウム)の発見者マリー・キュリー(1867~1934)、原子説を提唱したジョン・ドルトン(1766~1844)、元素周期表の作成者メンデレーエフ(1834~1907)がそして切手面には実験をするラボアジェが描かれています。
切手は1990年モルディブ発行の「絵画切手」の中の一枚で、フランスの新古典主義の画家であったジャック・ルイ・ダヴィッド(1748~1825)が1788年に制作した絵画『アントワーヌ・ラヴォアジエと妻の肖像』が描かれています。
コメント