前回の続きです。
・イギリスの詩人バイロン(1788~1824)
・イギリスの詩人バイロン(1788~1824)
風邪をこじらせて高熱と全身の痛みに苦しんだ際、瀉血を勧めた主治医と別の病気のとき瀉血をしたが効果がなかったことを理由に、断固拒否した。
しかし最終的には医師の懇願に折れ、「いつも通りにやってみろよ。おまえたちは虐殺者にしか見えないぞ。好きなだけ瀉血したら、もう終わりにしてくれ」と言い放った。
かくして3回の瀉血で1リットル以上の血を抜かれたが、医師の予想に反して症状が悪化するが、間もなくバイロン卿が息を引き取ると、主治医たちは「もっと早く瀉血すれば、なんとかなったのに」とバイロン卿を非難したのだという。
切手は1988年ソ連発行の「バイロン生誕200年記念切手」で、彼の肖像が描かれています。

・ルイ・パスツール(1822~95)
1868年10月19日の朝、左半身がピリピリする感じがあつたが、無理をしてアカデミーに出席するつもりであつた。
昼食後さらにふるえの発作があつたが、治まつたため彼はアカデミーにでかけ、友人に付き添われて夕方帰宅 し夕食をすませ、早めにベッドに入つたのち脳出血を起こし左半身が麻痺した。
翌日、検査の結果は中風と診断され、治療のため16匹のヒを耳の後につけ吸血潟血を行つた。
その結果多量の血液が吸い出された。
この様にバスツールほどの著名な人物でも当時は無意味な潟血療法を受けていたことに驚かされる。
幸いなことにパスツールは、この瀉血療法の効果があり46歳 に脳卒中で倒れ半身不随になりながらも、その後は車椅子で研究所に通い以後27年間、不自由な足をひきずりながら多くの業績を残すことになります。
切手は2022年フランス発行の「パスツール生誕200年記念切手」で、パスツール県境所とともに彼の肖像が描かれています。
・ジョージ・ワシントン(1732~1799)
米国初代大統領ジョージ・ワシントンは、1799年12月13日に喉に激しい痛みを い、呼吸困難 に陥つた。
三人の主治医は“うがい薬"と“浣腸"と“潟血"を行つた。
この時の潟血は三回行われ、三回目には1リットルもの血液が抜かれた。
ワシントンは 手当のかいもなく発病から48時間目に死亡 した。
このことからワシントンの死亡の原因は潟血によるとされている。
切手は2011年米国発行の「ジョージ・ワシントン切手」で、彼の肖像が描かれています。
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