アポロンは、信仰初期には 死神や疫病神という有難くない神だったと考えられています。
医学が発達していない古代では疫病の正体が分からず、すべて神の仕業と考えられていました、元が疫病神の性格を持っていたアポロンが弓を放ち、その矢に当たると病に倒れると信じられていたために、 伝染病の流行はアポロン神の怒りにより「アポロンの弓に当たった」のだと考えられていました。
そしてアポロンの怒りが収まると病から回復するために、医療の神として崇められるようになっていきます。。
しかし古代期の太陽神には、れっきとしたヘリオス神が存在していいましたが、 紀元前4世紀頃からアポロンと同一視されるようになりやがてローマ時代には完全に アポロンに統合されることになります。
ギリシャ語で太陽をヘリオス(Helios)と言いますが、これはヘリオスはアポロンよりも古くから信仰され、天にまばゆい太陽そのもので真の太陽神でしたが、時代の流れとともに勢いに乗ったアポロンに飲み込まれてしまったわけです。
ヘリオスは毎日、東の地平線から四頭立ての太陽の戦車を駆って登場し、空高くを駆け巡り西の地平線に没していく太陽を擬人化した姿は、本来はヘリオスそのものだったのです。
しかし、その姿も後世になるとアポロンに置き換わっていきました。
切手は1946フランス発行の「航空切手」の中の一枚で、四頭立ての太陽の戦車を操って天空をかけるアポロンが描かれています。
切手は1936年ギリシャ発行の「神話切手」の中の一枚で、太陽の戦車を駆って天空をかけるヘリオスが描かれています。
【おまけ】
ヘリオスの戦車を引くのはパイロイス(火)、エオース(暁)、アイトーン(燃えさかる)、フリーゴン(爆発)という四頭の馬です。
この四頭は翼を持たない馬として描かれる事もありますが、翼が生えている場合もあります。
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