493年頃、クリストファー・コロンブス(1446?~ 1506)が 新大陸からヨーロッパに持ち込んだとされている梅毒は、1494年のフランス王シャルル八世 (1470~98)のナポリ遠征によってイタリアに持ち込まれ、数年でヨーロッパ全土に猛烈な早さで蔓延しました。
当時、フランスでは梅毒をナポ リ病、イタリアではフランス病、ロシアではポーランド病、スペインではポル トガル病、オランダではスペイン瘡と呼び、お互いに他国の責任として転化しようとしました。
「近代病理学の父」といわれ伝染病理論の権威ジローラモ・フラカストロ(1478~1553)は この傾向を嘆き、1530年 に医学詩『Syphilis別名フランス病』を発表し、お互いを非難しあう呼び方を止め、梅毒を“Syphilis(シフィリス)"と呼ぶことを提唱しました。
Syphilisの由来は、「音、若くて美しい羊飼いの青年Syphilusが 、日照りで牧草が枯れたことを逆恨みし、太陽神アポロンを呪つたために神罰を受け、梅毒様の病気になつた」という神話に基づいています。
切手は1939年フランス発行の「性病予防切手」で、女神(当時のフランス国民)に抱かれる子供(将来のフランス国民)を描き性病予防を訴えています。
このようにダイレクトに性病予防を訴えた切手は、これしかないと思います。
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