抗生物質の幕開けの発見は、1929年に、イギリスの細菌学者であるサー・アレクサンダー・フレミング(1881~1955)が、青カビからペニシリンを発見したことに始まります。

世界最初の抗生物質として有名なペニシリンは、偶然から発見されています。

1928年に、彼が実験室に散乱していた片手間の実験結果を整理していた時、廃棄する前に培地を観察した彼は、黄色ブドウ球菌が一面に生えた培地に混入したカビのコロニーに気付きました。

細菌の作るコロニーがカビの周囲だけが透明で、細菌の生育が阻止されていることを偶然にも発見しました。

この現象を見て彼は、青カビが細菌の発育を抑える(細菌を殺す働き)作用があると考え、アオカビを液体培地に培養し、その培養液をろ過した液体の中に、この細菌を殺す働きのある物質(抗菌物質)が含まれていることを見出し、アオカビの属名であるPenicilliumにちなんで、"ペニシリン"と命名しました。


切手は2010年イギリス発行の「医学の進歩切手」で、シャーレに生えた細菌を溶菌させている青カビが描かれています。


青カビ.イギリス.2010


切手は2003年モナコ発行の「ペニシリン発見75年記念切手」で、フレミングの肖像と共に、青カビの生えた培地が描かれています。



フレミングと青カビ.モナコ.2003


切手は2004年セントヘレナ発行の「医学への貢献切手」の中の一枚で、実験室のフレミングの肖像とともに培養器に生えた青カビが描かれています。



フレミング.セントヘレナ.2004