ドイツの細菌学者・化学者のポール・エールリッヒ(1854~1915)は、秦 佐八郎(1873~1938)と共に色素の殺菌作用を応用して、体に無害で細菌を殺す働きのある物質を人工的に合成する事を目的として日夜精力的に研究を行っていました。
1909年、秦の血の出るような努力が報われある種の薬剤がウサギの梅毒治療に劇的な効果があることを見いだします。
そして、この薬剤を半年間に及ぶ人体実験の結果から、人の梅毒治療に効果があることを確認しました。
この薬剤は、研究開始から606番目に発見されたことから『606号』と名付け、『サルバルサン』と命名されました。
当時効果的な治療法の無かった梅毒に対して、この『サルバルサン』は、劇的な治療効果を示したことから、『魔法の弾丸』と呼ばれるようになりました。
サルバルサンは、エールリッヒと秦の共同発見によるものですが、秦の地道な研究による秦の功績によるとされています。
サルバルサンの発見でエールリッヒは、1908年にノーベル生理学・医学賞を受賞していますが、秦は受賞していません、この発見は秦の献身的な努力によるものでありながら受賞者とならなかったのはなんとも納得できません。
また秦は、1911年にノーベル化学賞と1912年・1913年にノーベル生理学・医学賞の候補に挙がっていたものの受賞を逸しています。
切手は1977年ニジェール発行の「ノーベル賞切手」で、秦とエールリッヒの研究光景とエールリッヒの肖像が描かれています。
1992年3月8日使用開始された島根県美濃郡美濃町都茂郵便局の風景印で秦佐八郎の胸像が描かれています。
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