ルイ・パスツール(1822~1895)は、微生物が病気に関係していることを確信し、1873年に医学アカデミーで、『もしも自分が外科医であったなら、手術の前には手を注意深く洗うことと、手術に使用する器具やガーゼ及び包帯などの材料を使用前に130~150度の蒸気にあてたものしか使用しないであろう』と、「無菌法」を提唱しました。
パスツールの行った白鳥の首フラスコを用いた実験では、首が細長いため、空気中の腐敗菌はフラスコ内部に侵入出来ないことから腐敗は起こらなかったが、首を切り取ったフラスコでは、空中の腐敗菌はフラスコの横孔から容易に入り込んだために、腐敗が起こったと解釈された訳です。
パスツールは白鳥の首フラスコ実験で、それまで信じられていた自然発生説を否定します。
しかし、医師でないパスツールの提唱した「無菌法」は、医学界では全く見向きもされませんでした。
何時の時代でも先進的なことは、正しくてもなかなか認められることはありません。
その結果手術を受けた患者は、その後も細菌による化膿に悩まされ続けることになります。
切手は1962年ソビエト連邦発行の「低温殺菌法100年記念切手 」で、パスツールの肖像とともに無菌法の実験に使用した白鳥の首フラスコが描かれています。
切手は2004年セントヘレナ発行の「医学への貢献切手」の中の一枚で、パスツールの肖像とともに自然発生説の否定の証明に使用した白鳥の首のフラスコが描かれています。
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