ヘビ毒は、いずれも本体はタンパク質で、唾液などの消化液(消化酵素)が高度に進化したものです。
毒蛇はこれらの毒液を顎の近くの毒腺に貯蔵していて、通常は獲物に噛み付くことによって毒牙から毒液が注入されます。
中にはドクフキコブラ(ドクハキコブラとも言います)のように、相手の目をめがけて毒液を吹き付ける毒蛇もいます。
蛇毒(ヘビの毒)は、呼吸中枢などの神経系に作用して筋肉を弛緩させる神経毒、血管系統に作用し組織に出血させる出血毒に大別されます。
ヘビ毒には、神経毒・出血毒のほかにも、筋肉毒や溶血毒(血液凝固阻害毒)などに分類されていますが、筋肉毒と溶血毒は広い意味から出血毒に含められます
1.神経毒
コブラやウミヘビの毒は神経毒型です。
コブラに咬まれた直後には局所の痛みはほとんど感じることがなく、すぐにしびれ感を覚える。
咬まれた皮膚は青味がかって浮腫をおこし、重症例では進行性麻痺が発汗、悪心、嘔吐と共に認められ、麻痺が全身性となったり、四肢、脳神経、呼吸筋に見られれば、生命の危険に関わることが多い。
またヘビが毒を吐いて眼に入ると、局所の強い灼熱感と時には一時的な失明を起こすことがあります。
2.出血毒
マムシ科の毒は第一に出血性毒です。
咬まれると直ぐに激痛が生じ、2個の毒牙痕と黒味がかった堅い浮腫が急速に出現します。
出血斑は患肢全体に広がり、患部に表層性または深層性の壊死が起こることもあります。
同時に起こる出血性症候群としては、点状出血、出血斑、歯肉出血、鼻出血、血痰、消化管出血があります。
身近な出血毒を持つ毒蛇は、ニホンマムシ・ハブ(筋肉毒も持つ)・ヤマカガシ等がいます。
※毒蛇は、実際には神経毒と出血毒をそれぞれ単体で持っているわけではなく、すべての毒蛇が神経毒と出血毒の両方を併せ持っていますが、その割合が異なるだけです※
ヘビ毒には、神経毒・出血毒のほかにも、筋肉毒や溶血毒(血液凝固阻害毒)などに分類されていますが、筋肉毒と溶血毒は広義には出血毒に含められます。
毒ヘビによって世界では年間50万人が咬まれ、4万人が死亡しています。
わが国では、マムシにより3000が咬まれ、約10人が死亡しています。
また沖縄、奄美諸島では、ハブにより年間300人が咬まれています。
最近は、抗毒素血清の治療の進歩により、死亡者は減少していますが、咬まれた後の大きな後遺症が問題となっています。
一昔前まで無毒であると思われていたヤマカガシに、中学生が咬まれ、死亡した事件の後、ヤマカガシの毒が調べられ、現在では、抗毒素血清が作られています。
毒蛇に噛まれた場合抗毒素治療をおこないますが、この抗毒素は咬まれた毒蛇の種類ごとに異なります、例をあげますとマムシに咬まれた時には"マムシ抗毒素"を使いますが、ヤマカガシに咬まれたときにはマムシ抗毒素は使えません、この場合は"ヤマカガシ抗毒素"を使用します。
以上のことから咬んだ毒蛇を特定することが重要となります。
しかし現実は、夜間の咬傷や昼間でも草むらで咬まれた時にはそれが何というヘビかどうか確認できないケースも多く、そのようなケースでは患者がヘビを確認していないため、咬まれた初期では症状あまり起こっていない状態では診察した医師も小さな刺し傷を虫刺されと誤診したり、咬んだヘビを間違うことも多く発生しているのが現実です。
残念なことに日本固有種のニホンマムシ・ヤマカガシ・ハブの切手は発行されれていません。
切手は1986年ラオス発行の「ヘビ切手」の中の1枚で、インドコブラが描かれています。
切手は1972年モンゴル発行の「固有の両生類と爬虫類切手」の中の1枚で、モンゴルに生息するマムシが描かれています。
切手は1963年ポーランド発行の「保護された両生類と爬虫類切手」の中の1枚で、ヨーロッパヤマカガシが描かれています。
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