エキノコックス症は、エキノコックス(Echinococcus)による感染症で、病原体のエキノコックスは、単包条虫(Echinococcus granulosus)と多包条虫(Echinococcus multilocularis)の2種類があります。
日本でのエキノコックス症感染報告のほとんどは多包条虫によるものです。
エキノコックスという寄生虫には、卵、幼虫、親虫の3つの発育段階があり、親虫のときはキツネやイヌの体内に、幼虫のときは野ネズミの体内に寄生して生活し卵は親虫から産み出され、キツネやイヌの糞とともに体外に出てきます。
おもにキタキツネやイヌ・ネコ・タヌキ・オオカミなどイヌ科をはじめとする肉食動物の糞に混入したエキノコックスの卵胞を、水分や食料などの摂取行為を介してヒトが経口感染することによって発生します。
人が多包条虫に感染すると、多包条虫の包虫が肝臓で増殖し、潜伏期間はおよそ5~20年でしかも無症状で、時間経過とともに肝腫大、腹痛、黄疸、肝機能障害、腹水貯留などを引き起こし、最終的には肝不全などで死に至る恐ろしい人獣共通感染症の寄生虫疾患です。
肝臓癌との誤診を経て外科手術時にエキノコックス症と判明することがあります。
治療法としては手術療法が有効な治療となりますが、臨床症状が出現した時点ではもはや取りきれない事が殆どです。
さらに嚢胞の位置と患者の状態から外科的切除が困難な場合もありえます。
手術療法が困難な場合には化学療法としてアルベンダゾール使用行われます。
感染経路は、キツネやイヌなどから排泄された虫卵に汚染された沢の水や井戸水を飲む・虫卵の付いた山菜などを生で食べる・エキノコックスに感染したキツネや野犬などを触る・エキノコックス感染した犬の糞便処理のとき口に入るなどです。
北海道に行くと郊外でもキタキツネが見られかわいいので、触りたくなりますが、キタキツネの被毛にもエキノコックスの虫卵がついている可能性があることから絶対に触らないことです。
北海道でのキタキツネの感染率は40~60%という報告があります。
エキノコックス症は早期発見・早期治療が大切です。
北海道に在住の人は、エキノコックス症の検査を受けることが出来ます。
最寄り(もしくはかかりつけ)の医療機関にて検査の相談をすることが可能です。
北海道だけのものと思われていたエキノコックス症ですが、近年、愛知県知多半島で野犬から継続的にエキノコックスが見つかり話題になっています。
なぜ、エキノコックスが知多半島に飛び火したのかは現時点では分かっていません。
切手は1999年発行の「ふるさと切手北海道版」で可愛らしい2匹キタキツネが描かれています。
切手は1999年発行の「ふるさと切手北海道版」で可愛らしい2匹キタキツネが描かれています。
切手は2006年発行の「北の動物たち切手(北海道)」の中の1枚で可愛らしいキタキツネの子供が描かれています。

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