アイザック・ニュートン(1642~1727)は、万有引力の法則や光学などの古典物理学確立し、その道具として微積分などの数学も生み出した、イギリスの誇る著名な科学の偉人です。
一方ロバート・フック(1635~1703)は、バネの伸縮で生じる力の法則(フックの法則)を発見したり、彼自身が改良した顕微鏡観察から細胞「cell」という言葉と概念を発案した人物です。
ニュートンは自身が作ったニュートン式反射望遠鏡が縁でイギリス王立協会に入会しますが、当時王立協会でそれ相応の地位と名誉を受けていたフックは、ニュートンの望遠鏡と光学について批判をすることになります。
フックの批判を受けたニュートンは、受けて少なからずショックを受けたようです。
そしてフックは重力の逆二乗の法則も自分が先に思い付いたものと主張しニュートンとの対立し、決裂は決定的なものになります。
その後ニュートンは古典物理学の集大成とも言える「プリンキア」を1687年に刊行後、流れはニュートンの方に傾き、ニュートンは押しも押されぬ科学界の権威となり、1703年には王立協会会長に就任します。
フックの死後、彼の事を根に持っていたニュートンは、それまで保管されていたフックの実験装置などの科学遺産を王立協会から排除し、フックの唯一の肖像画を破棄した結果、フックの肖像画は一枚も残っていません。
特に晩年のフックは短気で気位が高く、知的論争で相手を不快にさせる傾向があったと言われています。
フックの名声は彼の死後に低下していますが、その原因はアイザック・ニュートンとの間の確執にあったとされています。
フックが再評価されるようになったのは20世紀に入ってからで、今では当時の最も重要な科学者の1人と認められています。
頭がよく天才と称されても、人格は下の下の人も多くいるということですねぇ!!
残念なことにロバート・フックの切手は、2022年現在何れの国からも発行されていません。
切手は2009年ジブラルタル発行の「ヨーロッパ切手2009年-天文学」の中の1枚で、自作の望遠鏡と共にニュートンが描かれています。


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