カンガルーの子供は母親の袋(育児嚢)の中で育つことは、皆様方もご存知でしょうが、それでは誕生日はどのようにして決めるのかご存知ですか?

育児嚢は子宮や胎盤の代わりになっているため、メスにしか備わっていません。

カンガルーの赤ちゃんは母親の袋の少し下にある直腸・排尿口・生殖口を兼ねる総排出腔という器官から生まれます。

生まれた時の体長はたった2cm、体重1gほどの大きさでこの穴から生まれてすぐに袋(育児嚢)まで自力で登る必要があります。

生後わずか5分、赤ちゃんは母親の袋(育児嚢)を目指して命がけで這い上がり、袋(育児嚢)に到達すると母親の袋(育児嚢)の中にある乳首に吸いつき、母乳を飲んで大きくなっていきます。

カンガルーの赤ちゃんは、育児嚢の中で無事に大人になれる確率が高いため、基本的に1回の出産で生む子どもは1匹だけです。

出産時のカンガルーの赤ちゃんは小さすぎて出産日を特定することは極めて難しく、その上カンガルーは妊娠してもお腹が大きくなることがないので、出産予定日の特定も困難で、出産したことに気付かないことが多いのが現実です。

そのことからカンガルーの子どもが初めて袋から顔を出したその瞬間をカンガルーの誕生日と定めている動物園が多いようです。

実際人の目で見て赤ちゃんの誕生を確認することが難しく、動物園によって誕生日をどの日とするか決め方が違うそうです。

「ポケットから顔を出した日」や「全身がポケットから出た日」など各園で独自に定めています。

カンガルーの赤ちゃんは、生後5ケ月くらいになるとポケットからひょっこりと顔を出し、生後8ケ月までには袋から出て生活するようになります。

そのことから赤ちゃんが確認されたときにはすでに5ケ月は経過していることになります。 

【おまけ】

カンガルーは基本的に前方にしか移動しません、後ろには進みません。

カンガルーの生息地として知られるオーストラリアでは、この特性を「前進しかしない」というポジティブな意味にとらえて、国家の繁栄を期して国章にその姿が描かれているそうです。


切手は1961年ハンガリー発行の「ブタペスト動物園記念切手」の中の1枚で、オオカンガルーの親子が描かれています。



カンガルー.ハンガリー.1961


切手は2020年日本発行の「動物シリーズ第3集切手」の中の1枚で、オオカンガルーの親と成長して袋から出た子供のカンガルーが描かれています。



カンガルー.日本.2020


切手は1994年オーストラリア発行の「オーストラリアの野生動物-カンガルーとコアラ切手第2集」の中の1枚で、オオカンガルーの母親の袋から小さい子供のカンガルーが出て足元にいるのが描かれています。



オオカンガルー親子.オーストラリア.1994