台風の季節になりましたねぇ。

今回は台風の命名法についてご紹介します。

台風の命名は従来、米国が人名(英語名)を付けていましたが、北西太平洋または南シナ海で発生する台風防災に関する各国の政府間組織である台風委員会(日本含む14ケ国等が加盟)が、2000年から西太平洋または南シナ海の領域で発生する台風には、同領域に共通のアジア名として、同領域内で用いられている加盟国などが提案した固有の名前を付けることになりました。

この命名方法は、台風が発生するたびに名前を考えて付けているわけではなく、台風委員会の加盟国などが持ち寄った140の名前を1~140のリストにして、順番にローテーションするというルールです。

先頭は2000年の台風第1号の『ダムレイ』です。

この命名方法は、アジア圏の人々にとって、なじみのある名前であることもポイントで慣れ親しんだ名前を付けることで台風に関心を持ってもらい、防災意識を高めようとする狙いがあります。

この140の台風の名前の内日本が提案したのは、下記の10個でいずれも星座の名前から提案しています。

5 コイヌ(Koinu)
19 ヤギ(Yagi)
33 ウサギ(Usagi)
47 カジキ(Kajiki)
61 コト(Koto)
75 クジラ(Kujira)
89 コグマ(Koguma)
103 コンパス(Kompasu)
117 トカゲ(Tokage)
131 ヤマネコ(Yamaneko)

各国が提案した名前の中には、馴染みのある植物と動物・神話・伝説・小説などに登場する『神様』や『人物』の名前・伝統的な食品などがあります。

※日本の気象庁では毎年1月1日以後、最も早く発生した台風を第1号とし、以後台風の発生順に番号を付け、なお、一度発生した台風が衰えて熱帯低気圧になった後で再び発達して台風になった場合でも最初の同じ番号を付けます※

台風委員会が一度決められた名前が変更になることもあります。

1.甚大な災害を招いた台風の名前は、台風委員会の加盟国や地域の要請を受けて、使えないようになることがあるのです。

2.2000年以降変更された名前は40個以上もあります。

※名前が使えなくなったからといって、用意されている140個の名前が139個に減るわけではなく、新しい名前を提案して、140個の名前候補を常にキープすることになっています※

因みに2021年の台風は以下のようになります。

・台風1号・・ドゥージェン(ツツジ:中国)

・台風2号・・スゲリ(鷲の名前:北朝鮮)

・台風3号・・チョーイワン(彩雲:香港)

・台風4号・・コグマ(こぐま座:日本)

・台風5号・・チャンパー(赤いジャスミン:ラオス)

・台風6号・・インファ(花火:マカオ)

・台風7号・・チャンパカ(ハーブの名前:マレーシア)

切手は1962年中華民国発行の「第2回世界気象デー記念切手」で、1961年の9月12日から13日にかけて台湾を通過した台風パメラの進路が描かれています。



台風.台湾.1962


切手は2000年日本発行の「20世紀デザイン切手シリーズ第12集」の中の1枚で、伊勢湾台風(ヴェラ:Vera)の天気図が描かれています。



伊勢湾台風.2000

伊勢湾台風(国際名:ヴェラ:Vera)は、1959年9月26日に潮岬に上陸し、紀伊半島から東海地方を中心にほぼ全国にわたって甚大な被害をもたらした台風です。

伊勢湾沿岸の愛知県・三重県での被害が特に甚大であったことからこの名称が付けられました。

死者・行方不明者の数は5,000人を超え、明治以降の日本における台風の災害史上最悪の惨事を引き起こした台風です。

伊勢湾台風は室戸台風、枕崎台風とあわせて昭和の三大台風に挙げられますが、この中で最も最悪の被害をもたらした台風です。